日本国債のデフォルトリスクは0%

『国債、強まる買い手不在 長期金利が日銀上限の0.5%に』

 日銀のイールドカーブコントロール修正により、10年債の金利が上限の0.5に達した。日経新聞は、長期金利の上昇を背景に、日本国債の買手不在を懸念しているとのことだ。だが、その心配にはおよばない。 

 まず、変動相場制下における自国通貨建国債は、デフォルトの可能性は皆無である上、他国の事例でも存在しない。デフォルトリスクがゼロであることから、満期償還まで安心して保有することができる。会計上、満期保有目的の債券は時価評価しないため、金利上昇でも通常は価格修正は行わない。そのため金利上昇リスクも実質的にゼロというわけだ。

 私自身が銀行出身であるため、デフレで借入需要に乏しい銀行業界の苦境は有る程度知っている。貸倒リスクがない債券であれば、0.5%の金利でも買手は引く手数多だろう。

 それでも、買手が見つからない状況になったとしても、通貨発行権を持つ日銀が買えば、問題は即時解決される。事実、10年以上にも及ぶ日銀の金融緩和の1つが、民間銀行が保有する大量の国債を買いつけであった。昨年9月時点で、日銀の国債保有割合は、過半数を超えている。この事実を持ってでも、財政破綻論やデフォルト、日銀破綻論といった珍説自体がデフォルトしている。

 

 
 

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