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ゴルゴちゃん

古いアルバムを開く。
そこにあるのは「想い出がいっぱい」ではない。
ゴルゴ13の幼少期のような少女がいっぱい。
私です。
私のアルバムですから。

原因は眉。

昔はどこもそうだったのか、わが家だけだったのか、大切な行事の前には床屋さん(理髪店)で顔を剃ってもらうことになっていた。
床屋さんは男性客が多くて、基本の眉毛が成人男性仕様。
とても上手な床屋さんで、いつでもきっちりキレイに整えてくれた。
もとから男の子に間違えられる、良く言えばりりしい系の顔にさらキリリッとした眉を設置することによりゴルゴちゃん爆誕です。

正月ゴルゴ。
徒競走のゴルゴ。
遠足でふてくされるゴルゴ。
エンジェルハットのゴルゴ。
ゴルゴの七五三。

日常を切り取った写真は普通の顔なのだが、圧倒的に行事の写真が多いからアルバムの中はゴルゴちゃんがいっぱい。

それに気付いたのは大人になってから。学生時代は子供時代のアルバムなんて開かないもんね。
卒業をして引越をする時に幼少期の不思議な自分に遭遇した。
なんだこりゃ!
想い出に浸ることもなく、変な汗をかきながらめくるアルバムに溢れるゴルゴを見た。
おもちゃの銃を持つ写真がないのが不思議なくらいだ。
あの頃は気持ちが良いし、スッキリきれいにしてもらえたから顔剃りが大好きだった。が、こんなアルバムを作りあげる結果になるとは…。

今、眉は自分で整えている。
心がけているのは目立たない。太いのはもちろん、細すぎても目立つ、さらにカドがあるとキリリとしてしまうので曲線だけにする。
ぼやーん。
決してオシャレとは言えないが、ゴルゴ婆さんにならない事が最重要課題なので、仕方がない。
眉毛って時代によっても流行りがあるけど、最近はどうなんだろう。
流行に乗るのも実は危険だが。

余談
子供時代の写真に日常を切り取ったモノが少ないのは、今とは全く状況が違うから。
写真を撮ったら、写真屋さんで現像(プリント)をしてもらう。その時にネガというフィルムの元も付いてきて、焼増(これもプリント)の時に使うのです。
この説明をわかってもらえるのはギリ40代か。
床屋さんやら写真屋さん、靴屋さんは下駄屋さんと呼ばれていた。今とはやっぱり時代は違う。
けど、時代はとどまらないのです。
ワタシクも時の川を流れる木の葉のようなものか。
て、ね。






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