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うなぎ食べたし、食べられず

鰻が食べたい。
鰻の蒲焼を、美味しく堪能してみたい。
土用の丑の日に家族が鰻を食べていても、他のモノを食べていた。
なぜなら。
私は鰻が嫌い。

食い意地がはっている割に好き嫌いが多い。
コーヒー、燻製、塩辛、生ウニ、生牡蠣、サーモンの一部、ニシン、ブルーチーズ…他にも「あ…無理」というものが山程ある。
今は食べられるけど、子供の頃は作ってから時間が経った白菜のおひたしが食べられず親に理由を聞かれ
「白菜は屁くさい」
と答えて怒られた。
ふざけたつもりはなかったんですが…。

そんな苦手な中でも筆頭が
淡水魚。
アレルギーではないので食べようと思えば食べられる。
「お前がスパイじゃないのなら、淡水魚を食え」
と国家機関に責められたら食べる。
違う違う違う、そんな話ではない。鰻が食べたいの。
食べて、おいし~いって言いたい。
とにかく、あのフワフワ(と言われる)脂がのった(らしい)甘辛たれ(じゅわって?)。しかも、お店によっては表面はサクッて、中じゅわでトロトロらしい…。
キーッ!

性格が良いとは言えない私。
しかし嫉妬と、妬みの感情はほぼ無い。
対極にいる(若くて、性格が良くて、女子力高くて、お金もち)の人を見てもすてきだねー、と思うだけ。
なのにテレビで鰻を食べて喜んでいる人を見ると嫉妬の炎がぼーぼー燃えあがる。
なんじゃろか。
最近はインバウンドで外国人が蒲焼を食べいる番組を見ると(何でだよ〜、蒲焼初心者が美味しく食べられてさ、半世紀も恋い焦がれている私が食べられないんだ!ムキキー!)

何でこんなに食い意地がはっているんだか。
嫌いな味なら食べなきゃ良いだけの話。なのに美味しく食べたくて悶々としている。
この食に対するパワーを何かしらの方法で転嫁したら気球のひとつぐらい飛ばせそうな気がする。
救いは、このあまりにも巨大な欲が食欲に集中していること。
他の欲、物欲や権力欲や✕欲がこれ程の熱を持っていたら、人生がバッキバキの攻めまくりになっていたかも。
疲れそうなので食欲モンスターで良かったです。

多分この先も鰻を美味しく食べる機会はないだろう。
…悲しい…
と、思っていたある日。
丑年生まれは鰻を食べない地域があるというのをネットで見かけた。
守ってくれている虚空蔵さまのお使いがうなぎなんだって。
…丁度良いってコトで…
いや、やっぱり食べたいっ!




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