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最後の部活

 息子にとって中学生最後の中体連だった。最後の大会であったけれど、息子はユニフォームをもらえなかった。1・2年生に混じって、コートの外で応援をしていた。言葉には出さなかったけれど、きっと悔しい思いでいっぱいだったと思う。子どものそんな姿を見るのは、親としては辛いものもあるけれど、中学最後の試合を夫と2人で応援に行った。

 息子は、小学時代特にスポーツをすることもなく、むしろ運動が苦手な子どもだった。ぽっちゃりとして、走るのも遅く、体力もなかった。中学に入っても、運動部に入るとは思わなかった。バスケ部に入ると言った時は驚いた。続けられるのか心配していたが、1度も辞めたいと言うこともなく、これまで続けてきた。今、1年の時と比べて、ずいぶん体型もすっきりとして、体力もついた。息子なりに成長したなあと親の私は思う。それでも、まだまだ選手としては、足りなかった。先輩になってからは、後輩に追い越される悔しさもあったに違いない。それでも、顔に出すことなく、いつも自分にできることをしていたように思う。


 選手として、コートに立つことはできなかったけれど、続けてきたこの2年ちょっとが、息子にとって大きな糧となっていて欲しいと思う。自分の思うようにばかりはいかない。今回うまくいかなかったことが、息子の成長の一助になればいいなと思う。


 息子、よく頑張ったね。ユニフォームもらえなくても、恨み言一つ言わず、コツコツと練習をがんばっていたね。みんなと比べると、まだまだ足りないのかもしれないけれど、あなたの中では、この中学生活でぐんと成長したと私は思うよ。小学生の時のあなたとは全く違う。心身ともに強くなった。次は受験だね。がんばれ。母はいつでも応援しているよ。

 面と向かって言えないので、ここに…。息子が読むことはないのだろうけど、母の気持ち。

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