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こどもへのまなざし

乳児だった息子を育てているころ必死になって読んだ本がある
「こどもへのまなざし」著者の佐々木先生の語り口が優しく
赤ちゃんを必死で育児していた私は文章のやさしさに触れ
何度か涙したことを覚えている。

もうかなり息子は大きくなっていて本を開くことはないが
時々、思い出すことがある。


保母さんから聞いた話で休みの次の日に「昨日は何をしていたの?」
と聞くことがよくあるそうなんです。
「ディズニーランドへ行った」
「シーパラダイスへ行った」
「デパートの行って、いいものを買ってもらった」
と、話すことが多い中印象的だったのは
「きのうはね。お母さんが爪を切ってくれたの。」
という子供の話でした。お母さんの膝の上にだっこされながら、お母さんの肌のぬくもりを感じながら、つめを切ってもらった記憶がとてもいいイメージでその子の心に残ったんでしょうね。そういう言い方だったと保母さんは言っていました。
 どこか遠くにいかなくても、なにか特別なことをしなくても、子供の心に
とどく、親子のふれあいはできるのですね。子どもといっしょにいる時間を、たいせつにする気持ちがあれば、子どもにきっと伝わるのです。保母さんの話を聞きながら、こういうお母さんがもっと増えてくれるといいと思いました。

「子どもへのまなざし」佐々木正美著

 この話が温かくで私は大好きでこんなお母さんになりたいと思った。
 冬休み中の息子の爪が長く「切りなさい」と何度か言っても切らなかったので渋々という感じで「危ないから切らんといけんよ。次は自分で切ってね」と言いながらも爪を切り、私はこの話を思い出していた。幸せをなんとなく感じながら。

 仕事が忙しく、夕方もなかなか「おかえり」を言ってあげられない。欲しいものも行きたい所も充分満たしてはあげられない。でも、日々の中で温かい接し方をできればそれだけでもいいんだ。精一杯の子育てをしよう。どこか私の中で支えとなっている。

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