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7秒タイムマシン  第1話 タイムマシンの完成

第1話 タイムマシンの完成

42歳のレンは、自分の父ケントが長年研究していた不可思議な装置について、ついに真実を知ることになった。

ケントは以前から、「時間を操る装置」の開発に取り組んでいると話していたが、レンはそれが本当のことだとは信じていなかった。
しかし、ある日、ケントから予想外の連絡が入った。

「レン、ついにタイムマシンを完成させたんだ。早く来てくれないか」

タイムマシン?
本当なのか?
レンは半信半疑ながらも、父の研究室に急いで向かった。

研究室に着くと、そこには確かに奇妙な装置が置かれていた。
中心には円形のプラットフォームがあり、その周りにはさまざまなスイッチやボタンが配置されている。
まさに、SF映画に出てくるようなタイムマシンそのものだった。

「これがそのタイムマシンか...」

レンが装置に近づくと、ケントが嬉しそうに声をかけてきた。

「よく来てくれたな、レン。ようやく、この夢を現実のものにできたんだ」

「でも、これって本当にタイムマシンなの? 時間を操れるなんて、信じられないよ」

「ああ、信じられないだろうが、これは本物のタイムマシンなんだ。7秒間だけ、過去や未来に移動できるんだ。」

7秒間だけ? レンは思わず聞き返した。

「そうだ、7秒しか時間を移動できないんだ。それが限界だったんだ!」

ケントは深刻な表情で続けた。

「このタイムマシンは、時間を操ることができる非常に強力な装置だ。しかし、7秒以上の移動をすると、元の時間に戻れなくなる可能性がある。過去や未来に取り残されてしまうかもしれない。それは大変なリスクを伴う」

レンは黙って父の説明を聞いていた。
7秒しかタイムトラベルできない。
しかも、それ以上の移動は危険だと。
確かに、このタイムマシンには大きな制限があるようだ。

「つまり、このタイムマシンは、ほとんど意味がないってことか?」

レンは少し冷めた口調で尋ねた。

「そうではない。7秒という短い時間でも、状況によってはとても重要な役割を果たせるはずだ」

ケントは真剣な表情で言った。

「レン!このタイムマシンは非常に危険な装置だ。絶対に悪用してはいけない。人の命に関わることになりかねない。私はこれを開発した責任として、お前にも同じ思いを持ってほしい」

レンは父の言葉に重みを感じた。確かに、時間を操る力は非常に危険なものだ。
使い方を間違えば、取り返しのつかないことになりかねない。

「わかった、父さん。このタイムマシンは慎重に扱うよ。絶対に悪用したりはしない」

レンは堅い決意を込めて答えた。
父ケントが長年の研究の末に完成させた、この7秒タイムマシンの秘密を、しっかりと守っていくつもりだった。

ケントは安堵した表情で言った。

「よくわかってくれた。このタイムマシンは、状況によっては大きな力を発揮するかもしれない。でも、同時に取り返しのつかない事態を招くこともあるんだ。十分に気をつけてくれ」

レンは父の言葉を胸に刻んだ。
7秒タイムマシンは危険な力を秘めた装置だ。
その力を慎重に扱わなければ、取り返しのつかない事態になりかねない。
しかし、状況によってはその力が役立つこともあるかもしれない。

レンはタイムマシンの前に立ち、その不思議な装置を見つめた。父の遺産を、どのように活かせばいいのだろうか。この7秒の時間操作力を、どのように使いこなせばいいのか。
レンの心は複雑な思いで一杯だった。

7秒タイムマシン 妻と娘の死!|かずきっす (note.com)

#創作大賞2024 #ミステリー小説部門 #タイムマシン


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