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フリーランスの友人への報酬を踏み倒そうとした業者を合法的にコテンパンにした話(前編)

どうも、北原と申します。普段は紙を切り貼りしながら趣味の狐面を作ったり絵を描いています。
今回は、タイトルの通り、報酬の支払いを渋る悪どい業者を合法的にコテンパンにするというなかなか立ち会えない機会があったため、その経緯と方法を備忘録として書いていこうと思います。
もしもご覧になっている方で、同様のことでお困りの方がいたら参考になればいいなぁと思います。
(友人や業者の特定を避けるため、話の流れを変えない程度にフェイクを入れています。ご了承ください。)

きっかけは友人からの愚痴

とある日、いつも通りのんびり暮らしていると、仲の良い友人よりLINEが1通届きました。その友人はタイトルの通りフリーランスでイラストレーターをしながら生計を立てています。

LINEは「依頼を受けてイラストを納品したが、報酬が払われない」という内容でした。詳細を聞くと、
・とある会社Aが運営するコミュニケーションサイトに半年契約で、定期的(月に1度)にイラストを納品している
・報酬はイラスト1点10,000円
・サイトへの納品案内や質問をしているのは、仲介の会社B
・3ヶ月を1区切りとして3ヶ月分の報酬を会社Bより振り込んでもらっている
・前回の3ヶ月分は翌月(6.7.8月分を9月)に支払ってもらったけど、今回の支払いがない(9.10.11月分の振り込みがない)
という状態とのこと。
つまり3万円を貰えていないと言うことだそうな。

「会社Bの住所に直談判しに行っていいかな!?!?」と憤慨する友人を
「きっとそういうフリーランスが泣き寝入りしないような法律があるはず。諦めずに請求していこう。」と宥めました。

その頃は少しだけ法律に関わる仕事する部署にいたため、これも勉強のうちと、会社の休憩時間や業務外の時間を使って、友人と共に解決法を模索していくことにしました。

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出てくる出てくる会社の杜撰な仕事ぶり

とりあえずまず最初に友人が、会社Bに対して連絡したことを確認しました。
・12月頃に「今回分の振り込み日はいつか」の確認メール
→「担当が変わったので確認している」と返事が来た後音沙汰がない
諦めずに会社Aも巻き込んで確認したら「令和3年3月末には振り込む」という途方もなく遠い日にちを指定される

私が「契約書に振り込みは何日後とか書いてないの」と聞くと「契約書は交わしていない。メールで『こういう仕事やってほしいです。納品頻度はこれくらいの予定です』『わかりました』程度のやりとりしかしていない」とのことでした。いや、杜撰すぎないか…?まともな契約書も交わしていないとは…。

また、
・今までは毎回納品日が近くなると「次は○月○日にこういう方法で納品してください」という連絡が会社Bから来ていたのに、11月分が何度確認しても返事がないため11月分は用意したのに納品もできていない
という情報も新たに出てきました。
友人は契約通りに納品物を用意したのに、会社Bが連絡を無視したため、勝手に納品物を送りつけるわけにもいかず、納品物が受領されないからその分の報酬ももらえず泣き寝入り、というわけです。
(本来は3ヶ月で3万円を貰えるはずなのに2万円分しか受領されていない)


とある法律に引っかかりそうだと気づく

契約書もない、支払い期日も延ばし放題、受領すべきものも「担当がいない」でスルー…こんな適当な仕事が許されていたら、どんなフリーランスも振り回されてやっていけないのではないか?そういう発注業者を取り締まる法律があるんじゃないか?と色々調べまくりました。その結果…

下請代金支払遅延等防止法

というのに引っかかりそうだと気付きました。
法律の条文をかみくだくと、
・親事業者は下請事業者に仕事を発注するときには
①発注書や契約書を書面の形で出さなきゃいけない
②そこには代金や支払い期日、支払い方法を書かなきゃいけない
③支払い期日も適当じゃなくて、納品物を受け取ってから60日以内の日付を設定しなきゃいけない。60日を超えたら遅延利息が発生する。
④親事業者の一存で納品物を受け取らなかったり、減額したり、返品したりしてはいけない(納品物に不良品とかがあった場合は別)
今回の件で大事そうな箇所としてはこのようなことが書かれていました。
また、
・「下請事業者」は個人(フリーランス)も含む
とあったので、友人も無事法律で守られる対象であることがわかりました。
ここ大事だよ!フリーランスの人一番大事だよ!!!赤線引っ張っといて!!

とりあえずこれは違法っぽいか、ちゃんとした機関の意見を聞こう、ということに。

まず友人には、中小企業庁と全国中小企業振興機関協会がやっている『下請かけこみ寺』に相談するよう伝えました。
http://www.zenkyo.or.jp/kakekomi/soudan.htm

フリーランスの方は受け取る報酬も少額なことが多いので、トラブルの際、弁護士に相談したり依頼したりすると、それだけで費用倒れになることもあります。
しかし下請かけこみ寺はフリーランスが、立場が上の会社と取引をしている時に困ったことがあった時に相談員が無料で相談に乗ってくれる、心強い機関なのです。

相談内容としてはざっくりと内容をまとめ、事情を全く知らない相談員にも伝わりやすいようにしました。

以下の有料部分には実際に私が友人に、かけこみ寺へ送る様に指示した文章とかけこみ寺からの返事を載せています。(そして後編へ続く)

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