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ドラマ「神の子はつぶやく」を見て

NHKで「神の子はつぶやく」のドラマを見た。
ドラマを見て数日経つが、今でも時々思い出すぐらい
本当にすばらしいドラマだった。
ドラマそのものの派手さは全くないが、家族それぞれの感情が細やかに伝わってきて、涙が止まらなかった。

私自身、最近まで宗教活動をしていた。
二世ではなく、このドラマでいうと母親の立場になる。
強制的にお布施をしなければいけない。とかサタンに侵される。というような教えは全く、親や主人に感謝して尽くしましょう。というのが主流の教えだった。
でも、ドラマを見ていて重なる部分はいくつかあった。

例えば、子供たちは親に感謝し喜んでもらえるようにお徳積みをしましょう。と言われているので、高校生ぐらいになると、洗濯から食器洗いなどほとんどの家事を子供たちは毎日している。
そのため、学校が終わると部活には入らずまっすぐ家に帰り、家の用事を任されている。だから、放課後に友達とカラオケに行くとか、マックに行く。というようなことをしている子はいなかったのではと思う。
そして、高校卒業までは携帯電話を持たせない。とのことだったので、学校の友達とは距離があったのではと思う。
ある娘さんは、とても勉強のできる子だったにもかかわらず、
家のこと、小さい兄弟のお世話をするために、目と鼻の先にある頭の悪い高校に通っていたと、美談として語られていた。
私も熱心に活動をしていた時は、なんていい娘さんなんだろう。と思っていたけど、違和感を感じ始めると、これってヤングケアラーじゃない?と思うようになった。

そして母親は人にもよるが、毎日朝から夕方まで宗教活動に精を出している。
母親ももちろんママ友とランチする、なんてことはもってのほかで、声に出して禁止と言われてるわけではないが、暗黙の了解でそういうことはできなかった。そして、私も誘わないでというオーラを出して、友達と一定の距離をだして付き合っていた。

又、子供たちは男女交際を禁止されていた。
女の子はお姉さんと、男の子はお兄さんにお世話をされ、小さいうちから異性と話をするのも禁止されていた。
人から好きになられるのも、自分にスキがあるから。それも因縁を積むんだよ。と教えられていた。
そのため、結婚は年頃になると、上の人から「この人はどう?」と声をかけられ、同じ宗教の中で結婚をしたり、
熱心に宗教をしている親の子供さんを紹介されての結婚だったり、
結婚相談所に登録をして結婚するのが主流になっていた。

あと、自分で何も決められない。といったようなシーンがあったと思う。 
私も少しでも困ったことがあれば、自分で判断するのではなく、頭の中を
白紙にして聞いて来なさい。と言われてきた。
例えば、風邪をひく。ものをなくす。など普通に考えればなんでもないことでも、その出来事一つ一つに理がある。
なので、何でも聞きなさい。と言われてきた。

自分で決めるというのが苦手で、この宗教に違和感を抱きながら
なかなか離れられなかった。
でもコロナの間、活動ができない時期にいろんな話を聞いたり、本を読んだりネットを見たりして徐々に自分の心と向き合えるようになって、最近離れた。
自由になってもいいのに自由になれない。と言っていた遥の気持ちがすごくわかる。
私もまだ毎日聴きに行っていた話が心の片隅から離れず、何かあることに思い出す。
でも、離れて後悔はしていない。
そして、こんなこと書いてるけど、すべてがおかしかったのではなく、
感謝もしている。
十数年前の私には必要な話だったから。
でも離れるタイミングが遅かったのは否めない。


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