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📕本芁玄むシュヌからはじめよヌ知的生産の「シンプルな本質」

あらすじ

この本は、知的生産の珟堎においお空気、垞識、暩嚁で刀断するこずや、努力すればなんずかなるずいう根性論を終わらせ、本圓に向き合うべき課題に取り組む人が増えるこずを期埅しお曞いた。日本はむシュヌからはじたる瀟䌚に近づいおいるのだろうか。残念ながら、手応えは今ひず぀だ。

むシュヌずいう蚀葉自䜓はずいぶん浞透したが、日本瀟䌚で行われおいるのは、今もなおむシュヌドリブンではなく空気ドリブンだ。ひず぀断っおおくず、僕は「空気を読む力」を吊定しおいるわけではない。重芁なのは、空気はあくたでファクトず論理の䞊にあるべきだずいうこずだ。

では、むシュヌドリブンな瀟䌚に移行するには䜕が必芁なのか。か぀お電気や化孊が登堎し今や圓たり前になったように、デヌタやAIがない䞖界に戻るこずはないだろう。䟡倀芳の刷新ず新しい行動は避けられない。䞀人ひずりの行動倉容が䞍可欠だ。その䞀助になればず思い、本曞ではあたり詳しく觊れおいなかったこずをお䌝えしたい。


読んだきっかけ

䌚瀟で仕事のできる先茩からオススメされた本。

24幎4月に転職した私。いわゆるベンチャヌ䌁業だが成長スピヌドが早く、倧䌁業ずしお倉革するべきフェヌズの䌚瀟だった。

入瀟しお䞀番初めに感じたこずは、ベンチャヌらしい「䜕でもかんでもずにかくやっおみよう粟神」が匷く、この䌁業芏暡では今たでのやり方には無理があり、成り立たなくなり぀぀あるずいうこずだった。

100〜300人芏暡であれば人力ず属人化で解決できたこずも、1000人以䞊になるず仕組み化をしおいかないず厳しい。

ずはいえ、目の前の目暙倀は達成せねばならず、蚀葉通り365日党力疟走し続けおいる状況だった。

そんな䞭、私は党力疟走の流れに飲たれおしたい、珟状の改善をしきれないたた、䜓調を厩しお䌑職しおしたった。

そんな私の反省点(やり切れなくお悔しかった点)は以䞋の通りだった。

1. 組織にずっお、今、本圓に着手すべきこずは䜕なのかを芋極める必芁があったのに、忙しさに流されおできなかったこず。その力がなかったこず。

2. なんずなくやるべき方向性は芋えおいたが、正しいプロゞェクトを立お、自分がオヌナヌずなっお呚りを巻き蟌み、やり切るこずができなかったこず

仕事ができる人は、忙しい䞭でも「今本圓にやるべきこず」を芋極めお、「正しい仮説を立お」、「掚進するのに必芁な人材を芋極め、集めお」プロゞェクトを進行する。

たさにそのやり方が分かる本なのではず思い、読み始めた。

もう少し補足するず、これたで私は倧䌁業ず蚀われる䌚瀟で働いおきた。その䞭でも、長い歎史の䞭で培われたノりハりに瞛られお、改革をせねばならないフェヌズの䌚瀟が倚かった。

しかし、残すべきいい颚習、倉えるべき颚習、長く勀めおいる人、ただ瀟歎が浅い人が入り乱れおいる䞭で、私は、問題の本質を課題ずおき、物事を動かし切るこずができなかった。小手先のこずばかりやっおいたように思う。

そこから脱华したい想いが匷いので、そういう意味でも孊びがある本なのではないかず感じおいる。


著者情報

1968幎富山県生たれ。東京倧孊倧孊院生物化孊専攻にお修士号取埗埌、マッキンれヌ・アンド・カンパニヌに入瀟。4幎半の勀務埌、むェヌル倧孊・脳神経科孊プログラムに入孊。平均7幎匱かかるずころ3幎9カ月で孊䜍取埗Ph.D.。2001幎末、マッキンれヌ埩垰に䌎い垰囜。マヌケティング研究グルヌプのアゞア倪平掋地域における䞭心メンバヌの人ずしお、飲料・小売り・ハむテクなど幅広い分野におけるブランド立お盎し、商品・事業開発に関わる。たた、東京事務所における新人教育のメンバヌずしお「問題解決」「分析」「チャヌトラむティング」などのトレヌニングを担圓。

2008幎よりダフヌ株匏䌚瀟COO宀長、2012幎よりCSOChief Strategy Officerを10幎務め、2022幎よりZホヌルディングス株匏䌚瀟珟 LINEダフヌ株匏䌚瀟シニアストラテゞスト珟 兌務。2018幎より慶應矩塟倧孊環境情報孊郚教授。デヌタサむ゚ンティスト協䌚理事・スキル定矩委員長。䞀般瀟団法人残すに倀する未来颚の谷を創る運動発起人。科孊技術及びデヌタ×AIに関する公的怜蚎に倚く携わる。


この本が䌝えたいこず


▌この本で孊べるこず

ビゞネスでもサむ゚ンスでも、本圓に優れた仕事(知的生産)には共通の手法がある。この本では、仕事でも䜿える、本圓に䟡倀のある仕事をする方法が曞かれおいる。

▌本圓に䟡倀のある仕事ずは

・本圓に䟡倀のある仕事をする人=プロフェッショナルずは、バリュヌのある仕事をする人である。

・バリュヌのある仕事ずは、たくさんある問題の䞭で、䜕を課題ずしおおくかずいう、むシュヌ床(課題の質)の高さず、問題に察しおの解の質の高さの䞡方が備わった仕事のこずである。

・たくさんある問題の䞭からむシュヌ床が高い問題を遞択する方法は、

   ãƒ» 「今、本圓に答えを出すべき問題」
   ãƒ»ã‹ã€ã€ã€Œä»Šã®çŠ¶æ³/今の自分が答えを出せる問題」なのかを芋極めれば良い。

理想は、「誰もが答えを出すべきだ」ず感じおいおも「手が぀けようがない」ず思っおいる問題に察しお、「自分の手法ならば答えを出せる」ず感じる死角的なむシュヌを芋぀けるこずだ。


▌正しいむシュヌずは䜕か

䞋蚘の条件を満たしたものが、正しいむシュヌず蚀える。

1. 本質的な遞択肢である(答えが出るずそこから先の方向性に倧きく圱響を䞎える)

2. 深い仮説がある(垞識を芆すような掞察がある、新しい構造で䞖の䞭を説明しおいる

3. 珟圚の自分の技術・状況で答えを出せる

▌正しいむシュヌを特定するための方法

1. 考えるための材料を集める
これは䞀次情報に觊れるこずが倧切。実際に自分で珟堎に立぀、珟堎の人の話を聞く、顧客の声を聞くなど。珟堎の人の経隓から生たれた知恵を聞く。瀟倖の専門家に意芋を聞くこずも重芁。

2. 埗た情報を䞋蚘の通り敎理する
   - 業界内郚における競争関係
   - 新芏参入者
   - 代替品
   - 事業の䞋流(顧客、買い手)
   - 事業の䞊流(サプラむダヌ、䟛絊事業)
   - 技術・むノベヌション
   - 法制・芏制
   
その事業で倖しおはいけない数字、歎史的背景を螏たえた分野・業界・事業の垞識・これたでの怜蚎の有無、これたで課題がどのように敎理されおきたか、どのように䜍眮付けられおきたかずいう情報を集めお怜蚎する。
   

情報を䞊蚘の通り敎理するこずで、正しいむシュヌを芋぀けるこずができる。

▌䞊蚘を行っおも芋぀からない堎合(P88〜)

- 倉数を削る
- 芖芚化しおみる
- 将来ありたい姿、ゎヌルから蟿っお考えおみる
- 今ある仮説に察しお、なぜなぜを繰り返しお深めおいく
- 極端な事䟋で䟋えお考えおみる

▌解の質を䞊げる方法

正しいむシュヌが特定できたら、次に、そのむシュヌの解の質を䞊げおいく。

そのためには、

1. ストヌリヌラむンづくり
2. 絵コンテづくり


をしおいく。

▌ストヌリヌ䜜りの方法


1. むシュヌを分解する
   

   ã‚€ã‚·ãƒ¥ãƒŒã¯å€§ãã„問いなので、さらに問題を分解しおいく。その時のポむントは以䞋の通り。

  • ダブりももれもなく砕く(䌌たようなスラむスにならないようにする)

  • ダブりも挏れもなく、怜蚌したいのずが明確な問いに分解する(このむシュヌを解決するこずで最終的に埗おいたい結果から逆算しお問いを分解するず分かりやすい)

  • 分解したものそれぞれに仮説を立おる

その際、MECEや3C、ファむブフォヌスなどのフレヌムワヌクを掻甚するのもあり。
   
2. 分解したむシュヌをもずにストヌリヌを組み立おる(プレれンできるように)

分解したむシュヌず、それに察する仮説を䌝えるための敎理の段階。プレれンで玍埗しおもらうために必芁なステップである。方法にはいく぀かある。
   
   1. 兞型的な流れの堎合
       - 必芁な問題・前提ずなる知識の共有
       - カギずなるむシュヌ、さらに分解したサブむシュヌの明確化
       - それぞれのサブむシュヌに぀いおの怜蚎結果
       - それらを統合した意味合いの敎理(結論)
       
   2. Whyの䞊び立お
最終的に蚀いたいメッセヌゞに぀いお、理由や具䜓的なやり方を䞊列的に立おる方法。
       - 䟋:案件Aに投資すべきだ
       - なぜ案件Aに魅力があるのか(垂堎や技術芖点での展望・将来性/経枈的な想定リタヌンなど)
       - なぜ案件Aを手がけるべきなのか(䌚瀟にもたらす䟡倀/スキル・アセット・スケヌル/競合優䜍性/参入障壁の生み出し易さなど)
        - なぜ案件Aを手がけるこずができるのか(投資芏暡/投資埌のハンドリングの実珟性など)

   3. 空・雚・傘
最終的に蚀いたいゎヌルに察しお説明しおいく型。
       - 䟋:〜が問題だ。
       - この問題を解くにはここを芋極めなければならない(課題の深掘り)
       - そうだずするず、こうしよう(結論)

▌絵コンテの䜜り方

絵コンテずは、䞊蚘たでで行っおきた「むシュヌの分解」→「むシュヌずサブむシュヌで組み立おたストヌリヌラむン」に「具䜓的なデヌタをビゞュアルずしお組み合わせるこず」だ。

「どんなデヌタがあればサブむシュヌを怜蚌できるか」ずいう芖点で考えおいく。

▌人の蚘憶のコツ

人の蚘憶は既知の情報ず新しい情報が぀ながり、䜕床も目にするこずで定着する。これを資料䜜りや絵コンテ䜜りに掻かすず良い。

▌アりトプットの仕方

絵コンテたでできたら、実際に分析を開始し、アりトプットを䜜成する。

その時のコツは以䞋の通り。

- 出おきたサブむシュヌの䞭で、最終結論に最も圱響を䞎えそうなものから取り掛かる。
仮に描いおいたストヌリヌ通りに分析が進たないず、ストヌリヌ䜜りから䜜り盎しになっおしたうから倧切。

- 次からは、早く終わるものから分析をしおいく


自分が感じたこず

・䞎えられた課題を100点満点でこなすのではなく、「今、自分が本圓に解くべき問題なのか」を念頭に眮いお仕事に取り組むこずがポむントであるこず。むシュヌずしお眮くず決めたのであれば、他者を玍埗させるためにも本圓に䞎えたい解を軞にしお説明を組み立お、プレれンするこず。この点の倧切さをこの本から読み取った。

・目の前の仕事に忙殺されるず芋萜ずされがちな考え方なので、改めお倧切さを認識できたように思う。

・䜓系的な考え方は理解できたが、自分が䜿うむメヌゞが沞いおいない状態。著者曰く、そういう堎合は、実践を積むしかないずのこず。本を玹介しおくれた先茩に意芋をもらいながら、仕事に取り入れおいくのが良いのかもしれないず感じた。

いいなず思ったら応揎しよう

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