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発達障害という困りは、どこにある?

今は直接子ども支援に関わっていませんが、私のキャリアの中で一番長いのが発達障害児の療育支援です。やっぱり子ども支援は好きな分野なので、今日は、発達障害を持つお子さんを支援する上で大切になる視点について書いてみます。
お子さんの発達を心配されている親御さんに読んでもらえると、もちろん嬉しいですし、これから書くことをより多くの人が知って理解してもらえると、より優しい世界になるのかなと思ったりします。

長縄とびとAくんのエピーソード


本題に入るにあたって、私の体験した支援エピーソードを一つ紹介させてください。
運動が苦手な(協調性運動障害の)A君を支援したことがあります。運動が苦手な子にとって体育は失敗体験の連続で、特に自身の行動がクラス全体の成否に影響しがちな長縄とびは、学校忌まわしい活動ランキングトップ3に入ると思います。
A君にとってもそれは同様で、なわとびは全く出来ず、嫌な思い出しかないという感じでした。

そんなA君が支援の一環としてダブルダッチ(スポーツ縄跳び)に参加してくれることがありました。
もちろんA君は、参加自体後ろ向きで親御さんの促しもあってようやく参加してくれた形だったので、積極的に参加してくれる訳ではありません。
でも、さすが特別に講師としてお呼びしたダブルダッチの先生方!!Aくんがいかにタイミングを外して跳ぼうとも、縄跳びを上手に合わせて回し、成功させるんです。うまく跳べたAくんは、気をよくしていつもは全く参加したがらない長縄とびに何度も参加するようになって、跳べる度に「やった」と笑顔をみせます。
たかが長縄跳び、されど長縄跳び、ですね。そのAくんの顔を見たお母さんの喜びも一潮で、AくんとAくんのお母さんのこれまでの経験を想うと、私自身いたく感動したのを今も覚えています。

子どものできないは、その子のみの問題か?

この支援エピーソードから私がお伝えしたいことは、当たり前と言ったら当たり前なんだけども、子どものできたできないは、その子のスキルだけで起こるわけではないということ、つねに、その子と周囲の環境との掛け合わせの結果である、ということです。
イメージすると、以下のような図になり、発達障害という困りは、その子自身の中にある訳ではなくて、常にその子と環境との間にある、ことになります。

 この視点を知っておくことが、どんだけ発達障害を持つお子さんの手助けになるか、思い浮かぶ限り挙げてみます。
⑴能力のいたらなさのみを問題として取り上げられなくて済む。結果、二次的な傷つき体験(例.何度やっても◯◯できない僕はダメなやつだ等)を防げる。
⑵親御さんも子どものみに問題があると思い悩まなくて済む。
⑶環境を調整するという視点が生まれ、支援アイデアが生まれやすくなる。
⑷周囲の関わり方で、困りを解決できる可能性があり、関わる人もやりがいを感じれる。
⑸その子に合わせて環境を調整する為には、その子の獲得スキルを把握する必要があり(できることを周囲がカバーしすぎてもダメだよね)、その子自身のことをより深く知れる。 

どうでしょうか?今日書いたことは伝わりましたでしょうか?
誰かのお役に立てたらうれしいです。
今日も読んで頂きありがとうございました!!
そして、A君とA君のお母さんに会いたくなりました。
元気にしてるといいなぁ🎵


 







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