激しさと静けさと
私は激しく感情に揺さぶられることがない。
喜びも怒りも悲しみも。
心が凪いでいる。
小さい時はどうだったか。
本当に小さいとき、お昼寝から目が覚めて
家族がニコニコお話をしているのが
気に入らなかった。
激しく泣く自分の姿をまるで他人事のように
覚えている。
トランプやボードゲームをして、負けると許せなかった。
悔しくて悔しくて暴れた。
スーパーで、母と間違えて知らないおばちゃんに
話しかけた。
恥ずかしくて、母にかぶりついた。
逆に喜びはどうか。
激しい喜びはあったか。
今までで一番うれしかったことは何か。
石垣島での結婚式。
他にもありそうだが、思い出せない。
どこかで、私は感情を打ち消している。小さいときに感じた心の奥底から湧き上がる激しい感情を感じることを拒否しているのだ。
そうしているうちに、感情を感じにくくなってしまった。
感情を取り戻すべきか。それともこのまま凪いだ心のままいくのか。
感じるままに感じる時はつくりたい。
泣きたいし、怒りたいし、笑いたいし、喜びすぎて泣きたい。
でも湧き起こる感情を静観する自分もほしい。
大人になった今、
激しさと静けさを内包する人でありたい。