銀河鉄道999 1巻 第5話 社会の厳しさと理想の大人
「大盗賊アンタレス」
停車駅 アンタレスの家
停車駅がアンタレスの家とはどういう事でしょう!
話は眠っている鉄郎をみてメーテルが意味深なことを言うところから始まります。
「あなたが機械の体をもらったら機械の体になったら・・眠る必要もなくなるわ 眠る楽しみも夢を見る楽しみもなくなる・・そして そのまま永久に生きられる」
あいかわらずメーテルは怖いです。
そして今回早くも銀河鉄道史上かつてない事件がおこります。大盗賊アンタレスが列車強盗に押し入り、乗客を殺し、無限軌道を変えてしまうのです。あの自立型AIの999号でさえ
「オオセニシタガイマス アンタレスサマ」
という有様です。
松本漫画にはだれも逆らえない海賊や戦士が何人か出てきますが、アンタレスもその一人で間違いないと思います。鉄郎はそんな人たちと馬が合う事が多いのですが、アンタレスもタイタンでもらった戦士の銃を手入れしてくれたり、家に招待されたりします。
アンタレスの家に着く前に今後のストーリーに深く関わる事がありました。それは機械の体かどうか調べるためレントゲンのような装置をつかってメーテルの体を透視したのです。そこには普通の人間の骨格が映ったのですが、なんともそのまま信じる気にはならないですね。ここでもアンタレスは機械化人間を否定しています。
「やい女!!人間かどうか見てやる!!人間じゃなかったら・・機械化女なんかだったらバラバラにしてやる!!」
過去に何かあったんでしょうか、かなりの嫌悪感をもっています。
そして列車はアンタレスの家に到着します。そう、自分の家に999を横付けするのです。
アンタレスの家にはたくさんの子供が暮らしていました。どうも孤児たちを集めて養っているそうです。わかりやすいいい人設定ですね。しかも大盗賊が子供の前ではめっちゃいいお父ちゃん!
この話では999の警備体制など設定があまいところが多いようにも思いました。でも松本氏はアンタレスという男の中の男をこのへんで登場させたかったんだと思います。鉄郎がここでアンタレスと出会う事はこれから旅をするための大きな糧となるでしょう。
「いいか鉄郎!!撃たれる前に撃て!!相手が涙を流していても必要な時は心を鬼にして容赦なく撃てよ
宇宙で生き残るにはそれが絶対の条件だぞ」
昔の後悔、取り返しのつかない過去、そんなことを感じさせる言葉です。
「宇宙を一人さまようのは死ぬために旅するようなものだ 無限にきらめく大宇宙の星々は死んでいった孤独な勇者たちの涙の凍りついたものだ と古代の宇宙飛行家は書き残している もし・・そうだとしたら涙の数のなんと多いことだろうと鉄郎は思う・・そしてー銀河鉄道は果てしなくその中を通り過ぎてゆくー」
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