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人吉球磨ナウ③’

合鴨を捌く体験をしてきました。
⚠️その内容モロだしなので、苦手な方はお引き取りください!!

感想をまず言うと、あっという間だった。思っていたほど後に引いてない。でも経験して、することができて本当に良かった。自分が今まで食べたもの、全てその生き物がいて、関わってくれた人がいるということ、改めて確認できて、それはすごく忘れちゃいけない大切なことだと思った。

お世話になった方、テッチャンと奥さんは、合鴨農法でお米を育てている方です。もう何度かお会いして、お世話になっています。すっごく気さくで優しい、焼酎のお湯割を9:1で飲む方です笑

捌く予定のカモは、去年の今頃生まれたものだったそう。今もちょうどひながたくさん産まれ、ちょこちょこと歩き回ってました。

最初に、泣くかもしれませんが気にしないでください。よろしくお願いします。と伝えました。たくさん色んなことを考えたけど、何も答えは出なかったし、やっぱり殺すって、命をいただくって、私には言葉にできない重みがある。

去年産まれた鴨は40羽ほどいたけど、数日前に福岡からベトナム人がやってきて、2羽を残して全て売ったそうです。ベトナム人は血も喜んで食べる?飲む?そう。

なので、数日前から、仲間が突然いなくなった2羽のカモは、いつもはエサをあげたらすぐに寄ってきていたけど、エサを口にせず、飼育場の奥の方で2羽で固まっていたようです。
テッチャンが虫取り網のような網を持って飼育場の中へ入って行くと、ものすごい勢いで逃げていました。ああ、わかっているんだな、と思いました。

テッチャンが1羽捕まえて、私にカモの脚を結ぶよう言ったので、きつく縛りました。絶対痛いだろうと思ったけど、暴れたり外れたら大変だよと言われたので、きつくしました。
もう1羽も同じようにしました。

縛って足を持つと、案外大人しくなりました。羽がふわふわでした。

お庭の木に足を上にして吊るします。包丁を渡され、顎の下の頸動脈を切らんばんとよ、と言われました。
くちばしを持って、あごの下を触ると、ちょうどカモと目があったので、くちばしを持つ手で目を隠しました。
深呼吸をしてから、出刃包丁でスッと切り込みを入れると、赤い血が水道のように流れてきました。思わずくちばしを離してしまったら、バタバタと動いたので、慌ててもう一度掴みました。
5分ほどすると血が止まり、動かなくなりました。

あっという間でした。

そのあと、70℃くらいのお湯に入れ、トング2本を使い、羽と羽の間にお湯を入れて、むしりやすくしました。70℃より高い温度だと、油が出たり、羽をむしる時に肉がついてきてしまったりするそうです。

しっかりとお湯をつけたら、取り出して、熱いうちに羽をむしりました。熱かったけどしっかりむしりました。

2人がかりでむしり、ある程度皮になったら、また木に吊るして、さらに残った短い黒い毛を取りました。そのあとはバーナーで表面を炙り、頭と足を落として、捌いていきました。鴨だけど、どんどんローストチキンの形から、スーパーの切り身になっていく様子と、内臓の形を見ていました。
肺がマシュマロのようでした。気管支が固かったです。

片付けまで全て終わったあと、手がまだにおいがしました。

たくさん泣きました。
泣いても意味ないし、結局自分の手でしたんだから自分の選択だし。でもやらなきゃいけないこと、知らなきゃいけないこと、という義務感をなぜか感じていたから、これからもお肉を美味しく食べたいから、挑戦しました。カモもこんなに美味しく食べてもらえれば本望、なんて、自己中な考えはしたくない。足を縛る時に私がゆるくしてたら、逃げられて、生きられたかもしれない。自然界で天敵に食べられた方が自然の中に生きられていいのかもしれない。でもそうしなかったし、ならなかったから、私が食べるって選んだんだから私は美味しくいただく。それがカモにとってどう、とかは、鴨は嫌に決まってるよ。でもそうやってみんな命をつないできたんだと。

全て自己満のためです。そして経験させてもらえて本当に良かった。
命をいただくということを身をもって学び知ることができました。

これはモザンビークに行っても、きっとその後も、大切な経験です。

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