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想いを紙飛行機にのせて #3

数年間妻と一緒に子育てをしてきて、やっとですが自分の親の気持ちが理解できました。「目先のリターンはではなく、無償の愛で人類が繋いできたバトンを自分も次へ繋げる」という概念があり、それをベースに日々過ごしていたんだなということです。改めて尊敬しています。

そんな漠然としたことを考えるきっかけになったのは、仕事での配置転換でした。セールス→エリアでのセールスサポート→本社でのセールスサポートと自分自身の成果がどんどん見えなくなる中で、どんな思考で今後進んでいけば良いか悩んでいました。正直に言うと、周りにもっと賞賛されたかっただけなのですが、それは違うな。。。という葛藤がありました。その時、出会った書籍からの学びをつらつらと書きます。

【引用・参考書籍】
アダム・グラント GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代 三笠書房、近内悠太 世界は贈与でできているー資本主義の「すきま」を埋める倫理学 株式会社ニューズピックス、越水利江子 リンカーン アメリカを変えた大統領 角川つばさ文庫

想いを紙飛行機にのせて

今回の得た学びから、自分のありたい姿を表現しました。

・紙飛行機は飛ばしたら戻ってこない(一方通行)
・誰が作って飛ばしたかわからない(匿名性)
・何かメッセージを込めても、読んでもらえるか不明(届かない可能性)
・直接のやり取りではないので、伝わるか不明(受け手の知性)

参考書籍から出てくるキーワードは「GIVE」「贈与」です。それぞれ私なりに整理して考えてみます。

①「GIVE」と「贈与」の違い

共通している点は誰かが必要としている価値を提供していること、異なる点は匿名か否かだと考えています。贈与は匿名なため、見返りを求めても得ることは基本的にできません。贈与の本質を理解していない人からは、贈与者は非合理性の塊のように見えます。

②「GIVE」とは

等価交換が原則の資本主義社会の中で、まず自分から価値を提供することです。見返りを求めているか否かは人それぞれですが、匿名では無いので結果相手からのGIVEにもつながる可能性があります。人間の本質として、何か貰ったらお返しをしたい、貸しがある状態は居心地が悪い、といった心理があるので。

③「贈与」とは

未知の未来へつなぐことです。よって、お金や社内人事評価等現在の価値に置き換えて考えることはできません。時代や場所によっては異なるのかもしれませんが、子育てがあてはまります。自分の身の回りには、過去の偉人たちの贈与で溢れています。例えば、誰が作ったのか積極的に調べないと分からないけど、生活を豊かにしてくれている商品やサービスの数々です。

「GIVE」と「贈与」を考える上で参考になると考え、エイブラハム・リンカーンの伝記を読んでみました。この偉人の人生を今回のキーワードをベースに解釈すると下記のようになります。

・GIVEし続け、仲間ができる(母からの言葉を胸に自然とGIVEできる)
・人生の目標、贈与の方向性を見つける(黒人奴隷解放)
・GIVEし続け支持され大統領になり、戦争を経て奴隷解放宣言までたどり着く
→リンカーンの贈与のおかげで、現代がある。それは学ばないと人は気がつけない

最後は観劇中に暗殺されてしまいますが、自身に数々の不幸が降りかかっても変わらないその姿勢は、見習うところが多いです。

ここまでの内容と対極にいるのが「TAKER」です。とにかく相手から搾取しようと考えており、そこに相手への感謝やお返しという発想はありません。そのような人が周りにいることで、被害を受けている方も多いのではないでしょうか。そして、そのような人が周りから評価されて不満を抱えているのではないでしょうか。私もその中の一人です。「よくあんなことできるな・・・」と理解に苦しんでいます。しかし、目的が「〜で結果を出す」である場合その手段は人それぞれ、そこに反論の余地は無いというのが私の考えです。

結論としては、「自分がどうありたいか」の軸を明確にすることが大切なのだと思います。①周りに迷惑をかけてでも、目先の個人売上ノルマを達成したい②この事業は将来必ず多くの人へ価値をもたらすので、その成長の礎としてみんなと連携して目先の売上ノルマを達成したい 同じ立場にいても全然違いますよね。誤ってはいけないのは、「GIVE」は誰にでも無条件にするものでは無いということです。それでは、人のためばかりに自分をすり減らし燃え尽きてしまいます。自分がどうありたいかのビジョンに合致するかどうかで行動を決める必要があります。

「贈与」の観点を自分の軸に組み込むためには、教養が必須です。目の前の事象に一喜一憂しているだけでは、「贈与」は自分の中にインストールされません。なぜなら、過去から渡されてきたバトンを認識することができないからです。今なぜ自分がここにこの状態でいることができるのか、この問いを立てることから思考が始まります。

思考を整理することで、家庭や仕事での振る舞いに迷いがなくなり余計なストレスが減りました(まだうまくいかないことも多々ありますが)。では、これからまた息子へ無償の愛を注いできます👶

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