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V18 為になる本『人間尊重と人権尊重』

~人間尊重と人権尊重は異なる~
~重要なことは人間を尊重するひとづくりを進め、
 互に尊重し合える社会づくりに貢献することである~
by 出光 佐三 出光興産創業者

人間尊重とは:人間が人間を尊重することであり、自らを
       省みて尊重すべき人となり、人間を尊重する
       人づくりを進め、互に尊重し合える社会創造
       を理想とすべきである

       人権尊重とはひとの権利を尊重することであり
       物や金に対する権利を主張する。やがて我欲と
       なり、個人間の対立を生み、階級間の闘争、
       国際間の紛争戦争を生む。

出光の5つの経営の主義と方針


人間尊重
 一、出光の主義の第一は人間尊重であり、第二も人、
   第三も人である。

 一、出光はその構成分子である店員の人格を尊重し、
   これを修養し、陶治し、鍛錬し、かくして
   完成強化されたる個々の人格を、さらに集団し、
   一致団結し、団体的いだいなる威力を発揮し、国のため、
   人のために働くのが主義であり、方針である。

 一、人間がつくった社会である。人間が中心であって、
   人間を尊重し自己を尊重する。
   種々の方針や手段は、これから派生的にでてくる。

【大家族主義】
 一、いったん出光に入りたる者は、家内に子供が生まれた気持ちで
   行きたい。店内における総ての事柄は、親であり、子であり、
   兄であり、弟であるという気持ちで解決していく。

 一、出光は首を切らないというのが常識です。
   首を切られるなどと思っている人は一人もいないと思う。

【独立自治】
  一、仕事の上においても、私のみが独立しているのではない。
    その持ち場持ち場において、独立している。
    仕事の範囲では全責任を負い、完全に事務を遂行すべきです

  一、私生活に公生活に独立自治の大精神を体得し、個々に鍛錬強化
    されたる店員が、店全体の方針の下に一糸乱れず一致団結し、
    団体的総力を発揮するのが、すなわち出光です。

【黄金の奴隷たるなかれ】
  一、出光は事業を目標とせよ。金を目標とするな。然しながら
    決して金を侮蔑せよというのではない。

  一、事業資金としておおいに金を儲けねばならぬ。
    無駄を省かねばならぬ。ただ、将来の事業の進展を
    邪魔するような、儲け方をしてはならぬ。あくまで事業を主とし、
    資本蓄積を従としこの本末を誤ってはならぬ。

【生産者より消費者へ】
  一、創業に際し、営業の主義を社会の利益に立脚する。

  一、生産者に代わって消費者を探し、消費者に対しては
    生産界の変遷、品質の改善発達の状態、需給の釣り合い、
    市場の情勢、価格の変動等についての専門的知識を供与し、
    社会と共に永久であるという信念を持った。


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志水私見

 2023年、日本は円安、物価高、ガソリン代高騰、
 原発汚水処理問題、高齢化社会問題、Net社会における詐欺
 まがいの横行、地元岡山でもPFAS汚染水問題、人材採用難
 や短期離職者問題など政治・経済・社会に対する不安は日々
 拡大している。100年時代がはたして恩恵なのかはたまた災厄
 なのか未知なる問題課題は山積している。
 最大の問題・課題は、かって助け合い支え合って生活してきた
 本質的精神的豊かさ・人間重視の社会から、今や、我欲・物欲・
 勝ち負け・損得重視の社会に汚染され、信頼の社会から遠のいて
 しまったことと感じるのは私だけだろうか!
 
 かって、東京八重洲口近くの事務所から東京駅の地下通路を徒歩で
 丸の内の出光興産に通い、出光マンの誰もが人間重視の事業の主義や
 経営方針を語られることに感銘を受けた記憶が思い返される。

 「日本人は互に助け合うことで成長し成功していた!」

 「まず自分自身の相手や社会に役に立つ力を養成せねばならない!
  利潤はその為にある!」

 「金の力によって権力の力によって、買占めや売り惜しみをやり
  市民に迷惑をかけ,儲けたお金で人を助けるでは意味がない」

 「企業の社会性を実行しながら、自力を養成するために得るものが
  利潤である!」
 
  いまは亡き出光佐三師の言葉は現代の企業や経営者のみならず
  一般社会人にも金言として活かしたい!

                                                     2023年10月23日 JCL未来塾 kentakunte

資)出光 佐三氏1885年8月22日福岡県宗像市生
  1981年3月7日没95歳
 

       


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