「食堂み」の女たち20

十二月三十一日、めずらしく雪が降り、大晦日の街を白く染めた。
「食堂み」で年越しそばを食べた後、光恵、響子、美奈、俊一はマージャンに興じていた。今のままところ俊一の一人勝ち。テレビには年末恒例の「実録 警察24時間」が映っていた。
「それ、当たり!ロンや!今度はハネたで」また俊一が上がった。振り込んだのは響子だった。「あんた、うちになんか恨みあんのか。いっつもうちから当たるやんか」「ほんなん知らん。マージャンは頭や、頭のいいもんが勝つねん」くっそーと点棒を投げてやった。
「そういえば、あいつ捕まったらしいな。六十の禿げ頭」テレビに映っている警察の捜査画面を見ながら光恵が言った。「らしいな。あいつ、ヤーさんだったんやて」警察は暴力団には厳しいと効く。多分懲役刑がついて、しばらく出てこれないだろう。


続く

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