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A.35.広告宣伝車から

出勤の途中、宣伝車が一台私の近くを通った
都会では珍しい光景ではない
しかし、その宣伝車から流れる音声と
広告の内容にハッとさせられた

綺麗な女性が自伝本を出版するようだ

「日本を幸せにしたい。もっと多くの人に幸せになってもらいたい」
というような音声が流れていた

皆を幸せにしたい。
私が変われた秘訣を伝えて、
同じような悩みを抱えた、そこのあなたにも
しあわせになってもらいたい。

自らの経験を社会貢献のために語る
素晴らしい事だと思う反面
この本を手にする多くの人は彼女の養分でしか無いのではないか。という考えも浮かんできた

Aさんは、成功を夢見ている
自分が叶えたい夢を叶えたSさんを
真似して、本を買って、サロンに通う
自己投資だと沢山お金を注ぎ込んだ
1年が経ちAさんの考え方や言動は
Sさんぽくなった
でも、状況はたいして変わらない
努力が足りない。投資が足りない。
自分を追い込んで追い込んで
それでもやっぱり成功は遠かった

Aさんはお金も時間も減らす一方で
Sさんはお金が増えて、Aさんが自分を宣伝してくれる事によって多少だが時間も効率的に使える

Aさんが疲弊する一方で
Sさんはより社会的な地位を強固なものにしていく
その差は果てしなく広がっていった

Aさんはどうすべきだったのか
端的に言えば、
「成功者とは本人の努力のみでなれるのか」
という事をもっと考えるべきだった

アニメやドラマの世界でもそうだが
現実はもっと顕著だ
努力のみで成功する事はほとんどない
努力する事は必要条件ではあるが
十分条件ではない
タイミングや環境、動機なども影響する

AさんはSさんをどんなに真似しても
100%同じにはできないからだ
99%同じだったとしても、
残りの1%が違ったら成功しない

誰かを通して希望を見ているうちは
スタートラインにすら立っていない

他者からの情報は人生の参考とし
あくまでも主体的に行動し、情報を発信する側に回らないければならない
そこから初めて、自分のサクセスストーリーの始まりだ

当たり前の話かもしれないが
ふとそんな事を感じた瞬間だった

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