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温故知新:川中島古戦場とスタジアム

この記事(note)は、誠に勝手ながら、後進の体育系の学生に読んでもらって、「スポーツの本質を考える」という意味で、何か伝わるものがあればいいかなと思って書いてみる。

温故知新(おんこちしん):古いものをたずね求め新しい事柄を知るという作業は、物事の本質を理解するために必要だと思う。別の言い方・事例を言うと、国際協力の現場でもそうなのだが、外国に行って支援をする場合に、まずはその国の歴史、気候、風土、文化、食文化、風習、価値観、宗教、社会構造など、「その国・その土地・そこに住んでいる人々」を理解する作業から始めないと、摩擦が生じて本来すべき支援活動ができなくなる。まずは、「現状を把握する・学ばせていただく」姿勢が本質的に重要だと思っている。

新しいご縁を頂戴し、長野に来させていただいて、プライベートな時間を使って”故きを温ねて新しきを知りたかった”のが、この土地で起こったこと。すなわち有名な川中島合戦の歴史とスタジアムの位置関係だった。上杉謙信が着陣した妻女山に登り、武田軍の海津城(現:松代城址)の位置と距離を確かめ、武田信玄が着陣した茶臼山に登り、上杉謙信が単騎で乗り込み武田信玄に斬りかかったとされる本陣跡に足を運んだ。たくさんの史跡や資料館を訪ねた。インターネットで表面上の情報だけで調べるのではなく、実際に自分で歩いて確かめ、あらためて理解できたのは、現在の長野Uスタジアム(サッカースタジアム)と隣接するオリンピックスタジアム(現野球場:1998年長野冬季オリンピック開閉会式実施)は、まぎれもなく、川中島古戦場の跡地に建っているということだ。過去、この地で激戦(いくさ)があったということだ。

スポーツは「戦い」ではあるけれども、戦国の戦(いくさ)ではない。リスペクトを持ってルールの下でフェアに戦う。対戦相手は「敵ではなく共に切磋琢磨する仲間」である。審判も含めた競技関係者、ファン・サポーターも含め全員で試合を創っていくのがスポーツだ。だからこそ、感動が生まれるのだと思うし、スポーツの良さだと思う。

古戦場の跡地にスタジアムが建っている現代。スポーツの試合を通じて、夢や感動、希望や目標、友好や親善といった、人々や地域に対してポジティブな感情やスポーツの価値を発信する大切な場所になっていることは、非常に意義深いものだと私は思っている。

スタジアムでスポーツが再開され、人が集えるようになるまでは、まだしばらく時間がかかりそうだけれども、日常が戻った際には、ぜひ長野Uスタジアムの周辺にも足を運んでいただき、資料館や史跡で歴史を学ぶ知的探求の旅もしてみてはいかがだろうか。



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