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【5人家族都心築52年マンションリノベ記】超重要な天井と壁(内装編)

こんにちは、mizutamaと申します。

2024年3月末日の今日時点。1月11日より都心部にある築52年の自邸を、スケルトンからのリノベ工事中です。
夫、私、中学生2人、小学生1人の5人家族のヴィンテージマンションリノベ記録。同じような状況でリノベを検討している方や、状況は違えど住まいやインテリアについて興味を持っていらっしゃる方の何かのヒントになればとブログの更新を続けております。

詳細な自己紹介はこちらの記事をご覧になってくださいね。

ここから暫くは、リノベの際選んだ建築材料や建具についてを記録していきます。今日は、「天井と壁面」について。


一番面積比率の多い天井、そして壁面は塗り壁にしたい

できれば全面珪藻土、もしくは漆喰にしたい。つまりはクロスではなく塗り壁にしたい。
これはリノベ業者選定をはじめた当初の頃からの理想像の一つだった。

憧れの漆喰壁

その理由は

答えは明確。クロス(壁紙)は剥がれるから。
少なくとも個人的な体験として、結婚して住んでいた賃貸マンション歴3軒、延べ18年。そのうち2軒でクロスの剥がれやヨレがすっごく気になっていた。
そんなこともあって、状態変化のおこりにくいイメージのあった珪藻土や漆喰には、強い憧れがあったのだ。

「珪藻土」と「漆喰」、違いがあるんだって。

「珪藻土」と「漆喰」、どちらがどう違うのか。打ち合わせ当初は何回きいてもよくわからず、違いがわからなかった。
大きく分けてその違いは

①原材料の違い
●珪藻土・・・プランクトンが堆積化した物が主原料
●漆喰・・・消石灰(水酸化カルシウム)が主原料

と、まずは元となる材料が大きく異なる。

②色味・質感の違い
その原材料が異なることから、漆喰は白っぽく少し艶を感じる素材となる。一方で珪藻土は、元々プランクトンが堆積化した物なので、基本が土色。ベージュっぽい色味で、マットな質感だ。

③性能の違い
珪藻土・漆喰そのどちらにも、調湿、耐火、消臭、(静電気を帯びないので)埃がつきにくい、自浄作用といったとても魅力的な効果がある。とりわけ珪藻土は調湿に関して漆喰以上の力があり、今回リノベをお願いしたA社は自社製品の扱いもあったので、店舗打ち合わせの際に、何度かその違いをデモで確認させてもらった。

おそらく施工して20年くらい?下地までカビだらけになった北側の旧子ども室

③金額の違い
珪藻土にしろ漆喰にしろ、その違いは、一般的なクロス施工よりずっと割高になる。理由としては、「左官」工事の位置づけとなり、塗り専門の職人さんの手が必要なこと、また、下地から塗りの工程が、クロスを貼るより多く、人的・時間的工数がかかるからだ。

A社で見せてもらった調湿効果を示すデモが説得力高

珪藻土、漆喰。その両者が塗られた壁面にそれぞれ霧吹きで水をかける。そしてすぐに壁面を触れると、珪藻土は忽ち湿気を吸い取るのだ。あのデモはとってもわかりやすかった。
実は我が家の北側に位置する子ども部屋の一角は、特に冬時期になると塩ビクロスの一面が結露を拭いたようになり、クロスそのものが相当カビているのも非常に気になっていたのだ。化学物質を含む塩ビクロスは呼吸ができない。一方、珪藻土や漆喰は、そのものが呼吸をする。

今回、まだ委託する業者を選定している段階の時、A社にお誘いいただいて、施工を経験された個人のお宅訪問に伺った。その際施主さんが仰っていたことがとても印象に残っている。

「実は予算の関係で当初、WICは珪藻土は諦めてクロスにしたんです。
でも、初めての夏を迎えたときに、仕事を終えて帰宅すると、唯一このWICだけ空気がもわっと濁っているというか、淀んでいる感覚が気になって、思い切って追加工事をお願いしたんですよ。そうしたらやっぱり全然、匂いが違うんですよね。そのくらい、珪藻土を選んでよかったな、本当にそう思っています。」

実際その素材を導入されている方の意見はとても真実味があるし、やはり我が家でも珪藻土ないしは漆喰の施工は可能な限り導入したいと考えていた。

ちなみに余談、と言いつつも、今回とっても大切なことを聞いたのでここに記録しておく。

「珪藻土」「漆喰」と一言に言っても、品質の差がかなりあって、粗悪品も存在するとのこと。ここでいう粗悪品とは、原材料のこと。「珪藻土」や「漆喰」と銘打って販売していても、実は本来主たるべき原料がごく一部しか含有されておらず、化学溶剤などが含まれている場合があるそうだ。珪藻土や漆喰を施工したい、と考えている方は、原材料比率を確認した上で、珪藻土なら植物性プランクトン、漆喰なら消石灰の含有率が高いこと。きちんとした素材を選ばないと、想定していたような効果はもたらされないかもしれない。

予算と理想の狭間で最終的に決定したこと

私が当初掲げていた理想や「やりたいこと」に反して、当初予算はミニマム。あまり増やせない、という非常に制約のあった我が家のリノベ。(実はその後それも想定外の方向へと変わっていったのだが・・・)
どうしても費用を嵩ませがちな左官工事。全面施工をお願いしたい気持ちは十分ありつつも、最終的には「必要最低限だけ漆喰で施工し、あとはクロスで」という方向で落ち着くこととなった。

天井と壁面それぞれの施工内訳

●「漆喰」施工箇所
LDK壁・寝室天井・子ども室天井・R開口2箇所・トイレ天井・洗面室全て・玄関壁
●「クロス」施工箇所
子ども室壁、トイレ壁、寝室壁、LDK天井

→最終的には上記の内訳で施工をお願いすることとなった。
A社曰く、「実は、漆喰や珪藻土を希望される際、一番効果が大きく感じられるのが天井なんです」とのこと。そのアドバイスに則り、どの個室でも、天井もしくは壁、どこか一面でも漆喰を施工してもらうようにした。
そして、我が家の場合、眺望に価値があり、もっとも顔ともいえる位置づけになるだろうLDKは、天井以外漆喰を全面施工してもらうことにした。

開口がなく湿気が篭りやすいであろう洗面室は思い切って漆喰の全面施工を依頼し、1箇所だけ色のイメージを変える予定だったトイレも、消臭対策を狙って天井は漆喰で施工してもらうことに。

なぜ「珪藻土」ではなく、「漆喰」にしたか

A社のデモでも何度か見せてもらった通り、より調湿効果に優れているのは本来珪藻土の方。機能を求めるなら珪藻土の選択をしそうなのに、なぜ漆喰の選択をしたか。
その理由は大きく分けて2つある。

①見た目の好みを優先
先に書いた通り、漆喰の方が白、珪藻土は黄身がかったクリーム色である。A社のデザイナーさんに相談の結果、

「mizutamaさんのお話をお伺いしているかぎり、クリーム色のナチュラルなイメージの珪藻土より、漆喰の方が合うと思います。」

と言ってもらえた。
基本は白で清潔感があって、ヴィンテージを内包すモダン」のイメージの我が家には漆喰の方が調和すると判断したこと。

②下地で(湿気・カビ)対策を施すという選択ができたこと
厳密にいうと珪藻土の方が求める機能は満たしているので、せめてもカビ問題が発生していた北側の子ども部屋には珪藻土を塗った方が良いのではないか?ここは本当に最終契約段階のギリギリまで悩み続けていたポイントである。
その旨をA社に再び相談したところ、

「上物云々以前に、まずは下地の加工を施すことが何より大事です。そこさえしっかりしていれば珪藻土でも漆喰でも、どちらも機能的には遜色ないはずです」

との回答をもらったのだ。

確かに美容だってそうだ。外側からどんなに高い化粧水やクリームを塗ろうが、栄養状態や生活習慣、内臓の状況が劣悪なら、効果は出ないだろう。
私は建築に関してはあくまで素人だ。
ただ、「基礎が大事」というのは何事にも通底する原則のようなものだと思う。その原則をマンションリノベに置き換えるならば、スケルトンにした我が家は、まずは骨組みを整える前の下地から整えていくことに注力しようじゃないかと。

このやりとりが決め手となり、最終的には納得のいくかたちでクロスと漆喰との棲み分けをお願いすることができたのだった。

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