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倉敷・児島の海岸沿い

 倉敷に住み始めて3年が経ちました。
1年目は初めての一人暮らしで右も左もわからないままに。
2年目は社会人と学生とのギャップに苦しんでただ世の中を悲観して。
3年目は少し余裕ができたけどまだそんなに素敵な場所を知らなかった。
4年目の今年、夏、瀬戸内の空気が好きになっていました。
突き抜けるほどの高い空と乾いた空気が心地よくて
もっとここに住んでいたい。
静かで落ち着く街、ということはない。
空気もきれいだとは言えない。
主要産業は石油化学のコンビナート地帯と世界有数のささやかな綿工業。
そんな街だけれど、
庶民的な人を感じられる酒場や、汚くて親しみ深い方言や
嫌いがきれいに裏返るような素朴な、労働者の街があります。
ぼくはこの街の汚いところをもっと見たい。
汚さがきれいに裏返るところをもっともっと見たい。
夏が訪れるたびに瀬戸内の気持ちよさが流れ込んできて
瀬戸内の人間にさせられる。
静かに打ち寄せざわっと引いていく波を堤防の上から眺めながら
きらきらと鉄粉が舞う中空を眺める。
また来年もここで同じ景色が見れることをささやかに願います。

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