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あきぞら

秋の陽の角度になってきた。真昼の眩しさが気づくとなくなっていて、白く飛んで目を開けられなかったアスファルトの照り返しが柔らかくなっている。今年も夏が終わったんだということに気づく日。まだ暑くて台風もじゃんじゃん来るけれど、ここからは深まっていく一方になる。もう盛るという段階ではなくなることに、毎年寂しさを感じてしまう。秋も好きだけど夏も好き。それで言えば春も夏も秋も冬も全部好き。だけど、夏が終わる、ということに特別な感傷があるのは僕だけではないはずだ。盛りが過ぎるのをよろこばしいと捉えるにはまだぼくは幼すぎる。盛りの季節にまだ留まりたいと思う。そう願ってしまうのは、少し幼いが過ぎるだろうか。もうそんな歳でもないなんて言い訳をしたくないんだけどな。

東山魁夷せとうち美術館に行く
4年通っていれば大体観たことがあるものばかりになるけれど、魁夷の絵はむしろ特別でなくなってからがまた良い。木版画制作の工程をイメージする。紙を漉き、版を掘り、色を重ねる。浮かびあがるかたちといろを想う。下に潜んでいるかたちといろを想う。想像することをやめずにいよう。そうすればまた新しいものがみえてくるよ。


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