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目黒〜白金台〜品川散歩。

今日はよい天気だったので、早起きしてYさんと二人で桜狩り散歩に出かけた。

まずはかねてより目をつけていた、新宿にある赤坂 うまや新宿店の朝食バイキングへ。

9時頃に着いて、クローズの10時半頃までブランチ。大人一人2400円。

すべてプチサイズのパンオショコラ、アップルパイ、クロワッサンとデニッシュ類をこの時ばかりはカロリー度外視でお代わり祭り。自分でトースターで温められるのでパリパリサクサクがいただける。

野菜サラダはレタス、ビーツ、コーン、ブロッコリー、グレインズに和風ドレッシング。その他コックさんにオムレツ焼いてもらったり、中華コーナーのごま団子も食べたり。

デザートはテイクアウトなら一つ400円もする瓶入りの濃厚プリンと杏仁豆腐を一つずつ、それから果物いろいろ。果物はキウイ、グレープフルーツ、ブルーベリー、いちごにマスカットやぶどう、金柑まであってとても豪華だった。生の金柑を初めて食べた。感動。生でもほんとにそのままプチトマトのように食べられちゃうのがすごい。

締めに食べたコーンスープや和食コーナーのがめ煮も美味しかった。スクランブルエッグを取りに行ったら、サーブ用の鍋が下げられてなくなっていたのがやや心残り。

ホテル併設のレストランなので、宿泊客に混じって堪能したわけなのだけれども、ホテルの朝ごはんってなんでこう、スクランブルエッグ&ウインナーっていう刷り込みが根強くあるのだろうか。大して食べたくもないのに、儀式のように卵料理とともにウインナー1本を食べてしまうのだった。

他にもひと口ふた口ずつチキンやらミートボールやら。ミートボールもデニッシュ類もギルティフードと見なしているので、普段は積極的に口にしなくなっているだけに、ここでは懐かしくありがたい気持ちでいただいた。

少し早い昼食をがっちり食べた後は、最後にテイクアウト用のホットコーヒーを携えて山手線で目黒へ。

青空は広がりつつも午前中はまだ空気が冷たく、日陰が肌寒く感じられた。

私もYさんも、中目黒は何度か訪れたことがあるものの、目黒はほとんど初上陸。

まずはアトレ1のユニクロで野暮用を済ませ、そこから庭園美術館へ。

美術館の前の通りで桜が割と満開な感じに咲いていた。途中の公園などでも、枝垂れ桜はひと味早く満開を迎えているものが目についた。

庭園美術館は旧朝香宮邸なるアール・デコ様式の建築施設で、庭園入園のみなら大人200円。入館する場合は企画展開催中のみで、内容により変動するらしく、この日は岡上淑子(おかのうえとしこ)という日本のシュールレアリスムのフォトコラージュ作家の作品展だった。大人900円。


建物の外観、内観とも華美にならない控えめな装飾が好ましく、見ていて飽きない。が、香水の塔という名の室内にある噴水には度肝を抜かれた。どんな香りを好まれたのか、解説がなかったのが残念。音声ガイドや解説アプリを使えばわかったのかもしれない。


今回たまたま巡り合わせた企画展のコラージュ作品の方は、ちょっと私の好みではなかったけれども、本人が撮影したりんごに釘や鍵、時計などの無機物を組み合わせて被写体にしたシリーズや、スケッチなどは良かったように思う。

私より思いのほか、Yさんの方が企画展を愉しんでいたのが意外だった。どちらかといえばいつもは私主導で美術館巡りに付き合わせることが多いので、愉しんでもらえてよかった、と安堵。

ぽかぽかと日差しが心地よい庭を散策した後は、坂をくだって白金台方面へ。2年前に結婚式のお色直し用のウエディングドレスを買いに来て以来だったけれど、その時利用したオスロコーヒーは閉業してしまっていた。諸行無常…。

更に歩いていくと八芳園という庭園というかセレモニーホールがあり、しばし借景。実は去年の冬にYさんの数少ない大学仲間が奇しくも同じ大学の同窓生とここで親族のみで挙式をしたと聞いていたので、いつか訪れてみたいと思っていたのだった。この日も大学卒業記念らしき和装の女の子やウエディングドレスに身を包んでカメラに向かう新婦さんなど、そこここで幸せな人たちが笑顔たっぷりに華やいでいた。

私はもうそうしたハレの行事はひと通り済ませた身なので、ただただホンワカと偶然その場に巡り合わせた一人としてハレの日を迎える人たちを寿ぐ気持ちで庭を後にした。

そういえば敷地内に鳥居があってお社が祀られていたのでお参りしたけれど、確か明治維新の志士を祀っていたのだったかな。それと入口手前にお稲荷様のお社もあった。そこで改めて、八芳園で挙式した友人夫婦の幸せを願って柏手を打った。

八芳園を出た後は左方向に坂を下って、品川駅に出た。さすがに歩き疲れて、駅構内のスタバでひと休み。Yさんはホットコーヒーを買っていたけど、私はどうにもコーヒー気分になれず、ハイビスカスティーを選ぶ。それから塩分補給のポテチ。二人で一袋を分け合って食べる。


足を休めた後、アトレ品川をチラ見すると、そこのクイーンズ伊勢丹で長命寺の桜餅三個入り、岡埜栄泉の豆大福二個入り、志゛まん草餅の草餅(餡入り・餡なしともあり)、羽二重団子の羽二重団子(醤油と餡一本ずつのセット)と憧れの老舗和菓子屋の看板商品が勢ぞろい。小躍りというか苦悶しながら何遍も商品と値段とお日持ちを凝視する。

かれこれ10分はその一角に居ただろうか、黙って見守るYさんを尻目に、自分内脳内会議の結果、いずれも日持ちは当日限り、夕飯抜きでもいいくらいの腹具合の状況で、シーズンと一番負担が少なそうなことを考えて長命寺の桜餅をチョイス。とうとう東の桜餅の大本命を実食する日が来たのだ。


あとは山手線で自宅へ直帰。決断疲れの私と待ち疲れのYさん。二人ともヘトヘトになって帰り、のんびり夕飯の支度。窓を開けて空気を入れ替えつつ、洗濯物を畳んでいるとYさんが炊飯の準備をしてくれた。

昨晩のキムチ鍋を今日も続行するだけなので、残った具材を切って煮るだけの楽チン晩ごはん。

明日の弁当のこともあるのでご飯は炊いたけれど、Yさんは鍋だけ食べていた。私はその横で長命寺の桜餅を食べて、それから鍋を軽く食べた。

3個入り。桜の葉しか見えない。

一つあたり桜の葉が惜しげもなく3枚も巻いてある。どう食べようかしばし悩んだけれど、私は葉の先端の方からいただいた。

けして意図的にではなく、自然にぺらりと展開されたので、折角ならばと撮影。俵型に丸められたこし餡、限りなく薄い餅生地。

餅生地の存在感はほぼないに等しく、あくまで桜の葉を噛み切りやすくするためのクッション材。こし餡と桜の葉を最大限に味わうためのつなぎとして餅生地が挟まっている、という印象だった。

しかしこし餡もまた、桜の葉そのものを美味しく味わうための土台のようであり、とにかく桜の葉を口いっぱいに頬張ることになる野趣に満ちたこのバランスはいっそ清々しい。餅生地が薄いので食べ応えも実に軽やかで、お腹への負担なくあっという間に完食。

個人的な好みの話になるけれども、関東風のこのクレープ的桜餅、私はなんだかずうっとイマイチ良さがわからないというかいつも腑に落ちないでいたのだけれど、元祖であるこの長命寺桜餅でようやく真相にたどり着いたような気がした。

「元祖」であることの価値をこれまでそこまで意識することってなかったけれど、関東風桜餅にモヤモヤを感じている方は、これを一度食べてみると腹落ちできるのではないかと思います。

最後に、品川駅構内、アトレやエキュートの女子力は高かったけれども、初めて歩いた駅前は地方都市感がものすごかった、品川。

駅前にどーんと大きなウイング(競馬の馬券売場)やらパチンコ店やらが肩を並べていて、駅から出ると完全に“お父さんの街”だった。

たしかに新幹線も止まるし、ターミナル駅で出張族の場所っていうのはわかるけれど、田舎者の抱く品川という地名のイメージと裏腹に、割とうらぶれていて、ものすごくオヤジの街。

新しい駅ができて再開発されたら、街もアップデートされていくのかもしれません。


新たな発見の多かった目黒散歩、疲れたけれど久しぶりにYさんと行き当たりばったりのノープランでのんびり過ごせて良かったです。あとは桜の開花期間が来週末までもってくれるといいな。少しでも長く楽しめますように!


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