100%は知りえない
とある夜。
私はインスタントコーヒーを片手にタブレットでアニメを見ていました。
明日もバイトがあるのに早く寝ないとなと思いつつ、コーヒーに口をつけた時でした。
「私の事何も知らないくせに!知ったようなこと言わないで!」
その時、飲んでいたコーヒーが不味く思えたのです。
切り取られた一部でしかない。
情報に溢れる昨今。私は自分のペースを見失わないように東京で生き残って頑張っている同期の情報は避けていました。
承認欲求や嫉妬という化け物を抑えるためです。
何も全否定しているわけでないのですが、私の場合一度感情が起き上がってしまうと1ヶ月くらいは引きずってしまうので、あえて見ないようにしているのです。
さて本題に戻りましょう。
情報を見ないようにしていてもAIは人間の心を全てを察することはできません。
私が表示するな、と言っても「見てよ!こういうの好きでしょ?」と言わんばかりに表示してくるのです。
そこにはあの子のインタビュー記事や次のアニメの情報一覧にいたり、と。
舞台に立ち、綺麗なワンピースを身にまとい、笑顔の彼女。
何も私はあの子のことが嫌いではありません。むしろ好きだし、応援もしています。
上京したての時も電話で相談に乗ってくれたりと。
醜いもので、あの子がいい子であればあるほど私は苦しくなるのです。
そんな時に前述した、あのセリフ。
あの子が羨ましいだとか、いい子だとか書いたし思っていますが私はあの子の何を知っているのだろうと。
むしろ20%くらいしか知らないのではないかと思ったのです。
私は恥ずかしくなりました。
他者は他者。家族とて血の近い他人と割り切っていたのに私はあの子を勝手にアイドルにしていたのです。
Twitterでもニュースでもテレビでも取り上げられた情報はあの子の一部でしかないのです。
あの子だけでなく、有名芸能人もYouTuberも作家もVTuberも私も、そして読んでいるあなたも。
誰も他人の全てを知りえないのです。
「やっぱり私は私って割り切らんとな」
根本から意識改革するにはまだ時間はかかりますが、私の中の化け物が暴れ出すことは少なくなりそうです。
そして私は冷えきったコーヒーを飲んでその日を終わらせました。
私は私でしかなくて、この記事も私の一部でしかないのです。
それでは。
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