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モデルカーあれこれ

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モデルカーは実車を単に縮めたものではありません。斜め上方から眺めて、実車の雰囲気を楽しむのと同時に、雑誌の写真には写っていなかった部分を見て、新たな発見ができる物です。その歴史を…
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2022年8月の記事一覧

レアモデル列伝−15                青い楔 McKee Mk-10

レアモデル列伝−15     青い楔 McKee Mk-10

 マッキーと言っても牧原君のmackyのことではない。

 McKee Mk-10、60年代の半ば、米国で盛んになった何でもありのCan Amで、一寸先に行っているかという身体つきの車がMk-10。

そもそもBob McKee率いるマッキー・エンジニアリングは作り慣れたマルチチューブラースペースフレームのミッドシップレースカーMk-5やMk-6で初期のCan Amを戦っていた。エンジンはその初期

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重箱の隅をつつく-8           コブラ・サーティーン

重箱の隅をつつく-8           コブラ・サーティーン

 最近、SNSで知人が「コブラの巣」と題して、マニアが結構な台数のFord車(本物)の写真を載せていた。そこに「いいね」を付けて自分の収集したCobraを提示しようとして全体の写真が無いのに気付き、それならと全部で13台あるモデルを供覧する。

☆ AC-Cobra
 元々は英国で製造されていたAC AceにCarroll ShelbyがFordエンジンを載せようと企てたことが切掛。ライバルのGM

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事実は小説より奇なり-5    Can Amの赤い徒花 Ferrari

事実は小説より奇なり-5    Can Amの赤い徒花 Ferrari

 2022.08.05、eBayのオークションで一寸珍しいモデルを落札した。Ferrari 612というFerrariでは当時最大の排気量を誇るレースカー。このモデルの台座には1969年のLaguna Secaに参戦したと書かれていた。しかし資料をみて吃驚仰天、なんとそのレースでは走っていないのだ。

 1960年代、アメリカでは大排気量で規制が緩やかなCan Amが人気を促した。その賞金額は当時

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