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フロムゲー初心者のSEKIRO感想記14『雨中の謀略-ストーリー編・平田屋敷-』

※この感想記はこちらの記事の続きです↓

※ゲーム中のスクショは2周目や新規データを含むので、ステータスにばらつきがあります。



前回までのあらすじ

前回は葦名びっくりアニマルランドに迷い込み、大蛇との逃走劇を繰り広げつつも、なんとか生還しました。
まさかあんなモンスターと相対するとは、思いもしませんでした。もう二度と蛇に会いたくありません。なんなら赤鬼と再戦する方がマシ。

大変でしたが、それはそれとして葦名城下を抜け、かなり本城まで肉薄した位置に辿り着きました。
このまま本城へ突入、引いてはそこに囚われている御子様に会うこともできるかもしれません。

と、いうところなんですが、ここで一旦、葦名城の本城に入るまでにこなした別ステージでの出来事を語っていきます。

これは葦名と往復しつつ進行していましたが、わかりやすさ重視の為にひとまとめの記事として語ります。



守り鈴と過去

葦名城下を進んでいた筆者でしたが、ちょっと気になったアイテムがあったのでそれを使うために一旦荒れ寺へと戻ることにしました。
その気になっていたアイテムというのはこれ。

道中で荒屋の老婆から受け取った、若様の守り鈴。
老婆曰く、荒れ寺の仏様へ供えてほしいとのことでした。

鈴について仏師さんに聞いてみましたが、この時は竜咳イベントの真っ最中でまともに会話ができませんでした…。ごめんお爺ちゃん。

仕方ないので寺内を見回すと、これみよがしに鬼仏とは違う仏像が置かれています。

薬瓶を持った黄金の如来像。
金箔こそ剥がれかけていますが、壺の部分は丁寧に磨かれ、全体としても非常に良い保存状態です。

調べてみると、これは薬師如来の像だそうです。

薬師如来は医療の仏様として信仰される如来。
薬壺(やっこ)を持った姿が特徴的で、人の病を治すことにより悟りへの道を手助けすると言われています。体の病、心の病、果ては社会的な病まで。
物凄くざっくり説明すると、如来とは、仏教において「悟りを開き真理に目覚めた最高位の仏」とされています。
仏教の開祖たる釈迦のさまざまな側面を表現しているため、如来と言っても色々な種類がいるそうです。

なぜここに薬師如来像が鎮座しているのか、その意味合いまでは計りかねますが、「拝んで、祈る」というコマンドもありますし守り鈴はここに供えて良いようです。


やってみましょう。



「目をつぶり、鈴の声を聞いてやるといい…」


「その鈴が…呼び覚ますじゃろう…」



「眠っちまってる、お前さんの古い記憶を……」


仏師さんの言葉と共に、狼さんの意識はそのまま暗転していきます……。






忘却の三年前



ーーーー三年前。


いや何処だここ!!!!?????

マジでどこ!?
明らかに先ほどまでいた葦名とは、まったく違う場所に飛ばされました。
さっき三年前って出てたよな…てことは過去の映像とか?


そして少し進むと、画面に
「竜泉川端・平田屋敷」と文字が踊り出たではありませんか。

平田!ここまで散々、物語の端々で登場していた単語がついに姿を表しました。
ゲームやってる時に嬉しいのは、こういう匂わせられていた設定が見えた瞬間です。


さっそく道を行くと何者かが倒れています。誰?
「お主…梟の倅か……」
あ、狼さんを知ってる人だ。でもこっちは貴方のこと知らないけど……。

息も絶え絶えのとこ申し訳ないですが、何があったのかを聞くと、

「賊どもが…平田屋敷に……」と言われます。

ついでに今がいつなのかも尋ねることができます。ごめんね死にそうなのに…。

「竜泉詣の年であろう……」

それだけ言って、その人は力付きてしまいます。
最期の質問が「今年って何年?」なのは悲しすぎる。


筆者はちんぷんかんぷんでしたが、狼さんは竜泉詣と聞いてすぐ「三年前」と思い当たった様子。
とは「神社や寺への参拝」だそうなので、葦名特有の宗教的行事か何かなのでしょう。

しかも、この人の言うことには御子様の身も危険だと。
こうしてはおれません、三年前に何が起こったか知る為にも、平田屋敷へ赴きます。



寒そう

正面突破はさすがに怖かったので川を泳ぎ、横の塀から忍び込みます。
(この川でもイベントがありましたが、後程語ります)

恐らく山がひとつ丸ごと平田の所有物なのかも

「平田屋敷」ということで、てっきり単純にお屋敷が1つだけあるのかと思ってましたがそうではなく、立派な道も敷かれ、大きな門もいくつも備えてあります。様々な家屋や櫓が立ち並んでおり、その規模は村や小さい町と言って差し支えないほどの広さです。


こういった建物といえば武家屋敷を想像したので会津の武家屋敷を調べると、会津藩松平家に使えたという西郷頼母の屋敷は敷地面積2400坪!ひっっっっろ!!!

現存している実在の武家屋敷ですらとんでもない広さですから、往時である平田屋敷は何倍も広いのでしょう。相当に地位の高い一族であることが窺えます。


雨と泥に塗れた死体が痛々しい

道中の夜盗を倒しながら進みますが、途中の家屋には所狭しと住民たちの遺体が。
殺された者もいますし、火によって焼死した者もいるでしょう。恐らく畑仕事をしていたであろう人も殺されています。
む、惨い…。


しかし、暗澹たる気持ちで進んでいくと、ちょっと不思議な倉を見つけました。


立派な紫陽花が所狭しと植えられた庭。
雨中に紫陽花とは、SEKIROはとにかく日本的な美の表現が素敵です。

で、その紫陽花に囲まれた倉の前には。


穴山!!!!

そういえば平田屋敷に押し入ったとか言ってたな……。
絶賛物盗り中の穴山ですが、見知った顔に会えてめちゃくちゃ安心しました。
やってることは盗賊なんで本来だったら叩き斬った方がいいんでしょうが、タイムパラドックスとか起こったら怖いのでとりあえずここは話を聞きます。私は詳しい。


先着順らしい

当然、この穴山はまだ狼さんのことを知りません。
狼さんに対して妙に呑気に「ここはあっしが先に見つけた場所でさ」とか言ってます。お前そういう所だぞ。

穴山はこの蔵を譲る気はないようですが、代わりに、崖沿いに見えた三重塔にお宝の気配がする、と教えてくれます。
これはもしかすると何か良いアイテムのヒントかな。後で行ってみよう。

これで何故穴山が狼さんを知っていたかの謎が解けました。なんとも奇妙な縁だなあ。





謀略の渦


穴山がいた蔵の近くは大路に沿っていくつかの家屋が立ち並んでおり、重要そうな場所が沢山あります。

まずは、2人の夜盗が押し入ろうとしている場所へ行きます。
もちろんこの2人はぶっ飛ばしておきますが。

これは見事な蛮族ムーブ

そこは小さめの住居が密集した場所で、どうやら生き残った人たちが籠城しているようでした。

会話できる人が多いので順番にお話していきます。

まずは女性の方。話しかけると、声で狼さんだと察してくれました。
若様、つまり御子様の護衛として顔見知りだったようです。
当然っちゃ当然ですけど、なんか狼さんにも仕事場の知り合いとかいたんだって感じでちょっとほっこりします。

「これをお使いください」と頂いたのは毒消し。この先に毒を使う敵がいるということでしょうか。


次の家屋では、会話ではなく盗み聞きができます。

怪我をした武士が女性に手当てをされているようです。
聞くところによると、敵の中に忍び狩りの僧兵なる敵が混ざっている、と。
僧兵はなんとなくお坊さんの兵士なんだろうなと想像つきますが、忍び狩りはちょっと聞いたことのない言葉です。まあその名の通り、忍びに対抗するための兵士なんだろうけど…。

この先に敵として出るようですし、頭に入れておきます。


で、問題がこちら。

年配っぽい男性の声ですが、話しかけるなり急に険悪な態度を返されます。

「肝心なときにおらぬ、とんだ役立たずめ」

はあ?随分なこと言ってくれるじゃねえかこのおやじ。
こっちが黙っているのを良いことに、クソやろオッサンはなおも続けます。

「貴様が賊を手引きしたのではないか?」
「そうでなければ、この平田屋敷が落とされる筈が無い!!」
「去ねい!!!!」


………………ぶっ飛ばそうかなこいつ。
失礼。濡れ衣を着せられたことでついカッとなりましたが、これはこれでかなり重要な証言がとれました。

確かに葦名の分家たる平田家であれば、常に警備は厳重な筈。
そもそも、狼さんも普段であれば御子様の側について護衛している筈です。

ということは、敵は狼さんたちのような護衛が少なくなるか、あるいは何か別の仕事で平田を離れるタイミングを計ってやってきた可能性が高い。
そして平田屋敷は川や山に囲まれた要害を成しているようですが、この分では侵入経路も漏れているかもしれません。

そこまでの内部事情を押さえている人間となれば、もう完全に内通者が襲撃の手引きをしたと考えたほうが納得できます。
うーん、これは見事に真っ黒な謀略!



その襲撃の主がこの先にいるんだろうか……。なんかどんどん不穏な空気になっていく気がする……。




火吹き筒と、飛び猿の斧


続いて、道中で手に入れた重要そうなアイテムについて。

路に沿って小さめの住居が密集している場所で、夜盗たちが火を囲み見張りをしていました。
団欒中のところ申し訳ないんですが、こっちも仕事なんで全員ぶっ飛ばさせてもらいます。

その焚き火の側に、このような物が。

火吹き筒!?

実はこの出来事の前に、穴山の店で買った情報に火吹き筒に関する情報がありました。

売れそうな情報の他の三十五も教えろ

穴山の情報が早めに回収されました。しかも、これはかなり便利そうな道具では!?あとで仏師さんに持っていって強化してもらいましょう。

って、え?

火……?

というか、説明文にある赤目って……。


これかーーーーーー!!!!


赤鬼戦ではこれを使えばよかったのか……知らなかったとはいえ、とんでもない縛りプレイを自分に課していたようです。
(でも後で他の人のプレイ動画とか見たら皆さん火吹き筒無しで倒してました。よかった)

さて、もう一つの家屋では何やら夜盗が話し込んでいます。

兄貴分の男と、子分らしき男がお堂の中を漁ろうとしているようです。

しかし、子分がお堂を漁ろうと提案すると、兄貴分の男は「ここは良い」と諌めます。おや?

「けんど、供物でもあれば重蔵さまに…」
「やめんか!」

「仏様には手出し無用!何度言やあわかるんだ、タコが!」
「怒らねえでくれよ兄貴!タコでごめんよお!」

なんだこのアホ2人は。
賊なんだから悪い奴らなんだけど、なんかやりとりが憎めないなあ。殺すのちょっと申し訳ないかも。

ちょくちょく思ってたんですが、SEKIROってモブの会話ひとつひとつが非常に時代劇を彷彿とさせるもので、人情味に溢れているんですよね。
それは善性であれ、悪性であれ「ああ、人間が話してるんだなあ」と感じさせるに足る良いセリフばかりです。

恐らく時代柄もあり、現代よりも仏教に対する信仰心が強めなのでしょう。
仏様が見ている、とは良く言ったものです。

お疲れ様でした

まあアイテム欲しいからぶっ飛ばすけど。

お堂に祀られていたのは飛び猿の忍び斧

仏堂に斧を隠すとは物騒にも思いますが、先ほどの賊のように「仏様に手を出すのはバチ当たりだ」という考えもあるでしょうし、案外上手い隠し場所なのか?強硬派には通用しないでしょうが……。

しかし斧とは、また良いロマンの武器が手に入りました。攻撃力特化系の武器として使えそうです。

なになに、落ち谷の飛び猿が使用していた道具……。
しかしその者は、左腕と共にこれを失った……。


………………ん?

左腕…………。




というところで、一旦ここで区切ります。

まだ混乱の中ではありますが、物売りの穴山に会えましたし、何より「平田家」という、重要な存在も登場しました。
今いるこの場所は、狼さんにとって非常に重要なターニングポイントであったはず。


狼さんは何を見て、何を喪ったのか。

喪失の記憶を確かめるため、雨中を進むのでした。



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それでは今回はここまで。
次回は平田屋敷序盤で、かなり苦戦した中ボスについて語ります。
あと、SEKIRO最強スキルが登場。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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【参考資料】
会津武家屋敷(公式HP)
https://bukeyashiki.com/

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