21世紀も第2四半期を迎える時期,「世襲3代目の政治屋:小泉純一郎の息子進次郎」が「世襲4代目の政治屋」として首相に就いたら,オヤジにつづいてこの日本をさらに壊していく最終段階となる,しかも安倍晋三のおかげですっかり「醜いアヒル」になりはてたこの国は「対米服属国家」を完成させる
※-1「〈土記〉 なぜあなたも総裁選に=伊藤智永」『毎日新聞』2024年9月14日朝刊2面が皮肉った「裏金問題無反省」「統一教会無関係の素振り」「安倍晋三悪政と岸田文雄愚政」など,自民党の「19世紀的な日本政治の惨状」が物語るほかない,いまや「衰退途上国」の悲哀と絶望
この『毎日新聞』204年9月居14日朝刊の2面に毎日執筆されている「論説的な記事」は,今月27日に予定されている自民党総裁選に対して,以下のようにそれも皮肉たっぷりに,その基本的な幼児性というか,事態の進行とともにマスマス深刻度を増すばかりの,この未熟政党のあいかわらずであった「唐突」的な前近代的ヘタレ性格を説明していた。
付記)標題では進次郎が2回出ていたが,最初のほうは純一郎であり,そのあとが進次郎であった。事後(午後2時半ごろ)気づいたので2度ほど訂正することになった。
この記事は画像資料にしてさきに掲示しておくが,この論説を介して以下にあれこれ議論してみたい。
--多すぎるし,長すぎる。自民党総裁選は結局9人が立候補した。岸田文雄首相の不出馬表明から約1カ月。あと2週間もある。
閣僚や与党幹部が日ごろ黙っていた本音(ちゃぶ台返し?)や大口(いいっぱなし?)をたたく様はみものだが,だったら言論の府で発言してほしかった。
せっかくの議論も論点が散ると,誰が誰だか分からない。試しに下手なクイズを一つ。次のキャッチフレーズは誰でしょう。
「日本列島を,強く豊かに」 「自民党は,生まれ変わる」
「人にやさしい政治」 「決着 新時代の扉をあける」
「日本の新しい景色」 「協創 新しい日本」
「有事の今こそ(候補者名)」 「日本の未来を守り抜く」
「経済再生を実行へ」
答えは,9候補者の届け出順。つまらなくてすみません。でも,つまらないのは過半が,今回は当選する気のない顔見せ組だから。つまり本気じゃない。
自民党には,総裁選に出馬できれば政治家として本望と考え,周囲もたたえる文化がある。それが,派閥を守る戦略であり,仲間への献身とみなされるからだ。
いまはダメでも,いずれ総裁を出す力を秘めた集団の結束を党内外に示せば,選挙後の主流派に入るか,非主流派でも交渉しだいでポストやカネを引き出せる。
ひとつを除き派閥は解消したはずの今回も,その政治文化は残る。高市早苗氏は安倍派,林 芳正氏は旧岸田派,河野太郎氏と上川陽子氏は麻生派,石破 茂氏は旧石破派,茂木敏充氏は茂木派が推薦人の多くを占めた。二階派は複数候補に分散し,保険をかけている。
皆さん,その気満々。生まれ変わる気などさらさらない。総裁選後すぐの衆院選で,自民党丸ごと「みそぎ」を済ませようという魂胆なら,なおさらだ。
補注)ここからしばらくブログ主の長めの補注となる。
その「みそぎ」という中途半端な神道的な観念が,そもそも,政治の世界にもちこまれることじたいが,問題であった。しかも,みそぎ(禊ぎ)を必要とする当人が,そもそも自分でそれをおこなったというに過ぎないこの神道まがいの「独善的な個人の判定(キレイになったという自己主張)」となれば,なにを手前勝手なことを1人で自白しているのかとしか受けとりようがない。
そのあまりにも独りよがりで,独断専行ならびに唯我独尊,ともかく傲岸きわまりない図々しいだけの無神経が,自分たちの頭中を120%位占めている。
にもかかわらず,その「禊ぎが終わった,さあみなさん,このすっかり変わった(キレイになれた?)自分を見直してくださいという「ド・ヘリクツ」が,そこでは大々的に喧伝されることが,当然であるかのようにみせつけられているとしたら,冗談じゃない,いいかげんにしてほしいと感じるのは筆者1人だけではあるまい。
安倍晋三なんぞは生前,正式に国会で認定せざるをえなくなった「虚偽答弁」を118回も重ねてきた。
大晦日の夜更けに梵鐘を鳴らすのは「煩悩は一人の人間につき108個あるといわれるゆえ,「大晦日には除夜の鐘を108回ついて,その108個もある煩悩を鐘がひとつ鳴るごとにひとつ消しておき,来年こそは幸せな1年を過ごしたいという願いが込められている」という趣旨になっているけれども,
あの安倍晋三君の場合は,それをさらに10回分上まわる118回も国会のなかで,それも首相の立場からだったわけで,うそ,ウソ,嘘を,それこそ梵鐘を乱れ打ち的に突きまるかのようにばらまいていた。
お釈迦様でも108回までのうそならば,これでもけっこう多いけれども,なんとか許してもらえるということであった。ところが,さすがの晋三君,それを超える回数のうそを,なんと国会の場における正式な議論のやりとりのなかで,正々堂々と披露(ゲロ)しつづけてきた。日本国総理大臣が,である。
「モリ・かけ,桜,捏造」などのアベ的な政治汚職問題は,まったく反省も見直しもなされないまま,ましてやその「罪と罰」などもまったく空中に飛散させたまま雲散霧消させてきたのだから,安倍晋三的な「日本政治の破壊ぶり」というものは,
経済学者野口悠紀雄風に表現するとしたら,この学者先生が非常にたくさんの書物を書いてきたなかから,以下の7冊を挙げて,その骨子部分にかかわる文献として紹介してみる。
以上のうち▼-3『2040年の日本』2023年1月は,こういう内容の本だと説明されていた。
そこで思いだしたというか,本日(2024年9月14日)の『日本経済新聞』朝刊5面「総合4」に出ていたのが,「在職老齢年金,縮小を提起 高齢社会大綱『働き損』防ぐ 『医療費3割』拡大へ議論」との見出しを付けた記事であった。この記事全文は紹介しないでただ,添えられていた次表のみ紹介しておく。
このような事態になることは,半世紀以前からすでに十分に重々判っていた。厚生労働省の国家官庁たちしかり,まともな政治家もしかりであった。だが,ここまで来ていまごろ,後期高齢者群が新幹線の車輌内からそばの国道にでも放り出された体のいいぐさが,平然と述べられていた。
最近,日本政府(自・公の野合政権のうちその片割れは「平和と福祉の政党」であると標榜してきた公明党」だが)の後期高齢者(満75歳以上)に対する態度は,オマエらは「早く死んだらいいぞ」,もしくは「生きているかぎり働けるのであれば仕事をしていろ」「年金の支給を受けるのはなるべくあとにしろ」というものいいにしかなっていなかった。
それにしても,本当に「なっていないいままでの自民党政府」であった。自分たちの裏金問題などすっかり忘れたかのような顔をして,全員が「さあ,誰が自民党の総裁⇒日本国の首相」に選ばれるかと,それも世間の冷たい目線など感じていないかのようにして,自分たちだけが熱中できる「総裁選レースの展開中」である。
けれどもわれわれの立場から観て,自民党総裁選はまるで,当たり馬券のない競馬をみせられている気分にならざるをえない。馬券=選挙権をもっている庶民は,彼ら〈上級市民〉連中による手前味噌の総裁選競馬ゴッコには,いいかげんにしろというのが,以前から分かりきっていたオチであったはず。
〔ここで『毎日新聞』記事に戻る→〕 「選挙の顔」を選ぶ基準は知名度と人気。世論とのずれがいわれるが,自民党延命の「顔」を選ぼうとすれば,ケインズの「株価の美人投票」になる。自分の好みは脇に置き,最大多数の好みを推測して投票する,あれだ。
小泉進次郎氏優位がうなずける。したたかな面々には,小泉氏が無理めの改革を「1年以内に実現する」と約束したのも好都合。衆院選を乗り切りさえすれば,来年夏の参院選後にもお辞めいただけばいいからだ。「進次郎人気」を利用した体のいい使い捨てである。
その時が勝負どころで,今回は腕ならし。皆さん,お人が悪い。そうなったら岸田氏も手を挙げるかもしれない。(専門編集委員) (引用終わり)
ところで,その進次郎がそれでもいまのところ,前評判では首相になりそうな第1候補であった。悪夢というか逆夢であったほしい現実のなりゆきだけが,順調に進展している。
【関連記事】-『日刊ゲンダイ』から-
※-2 小泉進次郎は父親が自民党をぶっこわしたのだから,つぎはその息子として,日本の政治だけでなくさらに,この国じたいをぶっこわすに決まっているようなもの。
「〈こちら特報部〉『進次郎政権』なら…菅 義偉氏が操縦しそうな雲行き 自民党の悪い癖『傀儡政治』が再来? 何が起こる?」『東京新聞』2024年9月13日 12時00分,https://www.tokyo-np.co.jp/article/353803 は,以上,※-1の記述を支持してくれたかのように,かなりくわしい解説を与えていた。
この『東京新聞』の解説記事を紹介する前に,「『小泉進次郎は血へどを吐くほど大嫌い』『何をしてくれたのよこのガキが』 マツコデラックス氏のコメントが話題に!」『情報速報ドットコム』2024年9月11日,https://johosokuhou.com/2024/09/11/76166/ を,その題目だけとなるが紹介しておきたい。
この記事の内容はただし,マツコが2012年に述べた発言をとりあげていた。進次郎が「世襲4代目の政治屋」として動きまわっている背景には,菅 義偉などは小物も小物に映させるほかないほど「チョットした大物風」にみえる「ジャパンハンドラーの連中」が控えていた事実を忘れてはいけない。
その1人,日本で長く政治研究をしてきた体験もあるマイケル・グリーンは,そのハンドラーの代表格であったが,ともかく,進次郎の存在など完全にガキあつかいしてきた。コロンビア大学大学院修士課程に進次郎が進学できたという〈縁故入学〉も多分,彼とその周辺がお膳立てしてくれたものと推察すのが,自然である。
ところで,グリーン個人の立場や背景には分かりやすくいえば,「ディープステート」集団のなかでも表面に出ていた一員,ということになる。この点は,それなりに鮮明な事実として浮上していたけれども,日本関連の方面全体に注目するとしたら,「アメリカの対日戦略を左右する要注意ジャパン・ハンドラー」群となっていつも,しかも実に大きな顔をして日本に対して「ああしろ,こうしろ」と指図してきた連中がいる。
マツコ・デラックスがそうした事実をしって,前段のように進次郎を蛇蝎のように嫌う発言をしていたかどうかは不鮮明だが,マツコのその指摘それじたいは,現在になってもそのまま当たっている。
〔記事に戻る→〕 〔9月〕12日に告示された自民党総裁選。いま目を向けたい人がいる。菅 義偉前首相だ。小泉進次郎元環境相の支持を表明しており,党内の非主流派から一転,「キングメーカー」とみる向きも。ただ疑問がある。
職を辞した首相の名がなぜまた出てくるのか。再び影響力を発揮するのはどうか。あの人にもこの人にも当てはまりそうなこの問題。時代に逆行しませんか。
補注)というか「時代に逆行し」ているのは,なにもいまに始まったこの国の政治実態ではなくて,21世紀に入ってからというもの,ずっと「逆行=退行」してきたのがこのジャパン国であった。
例の有名な文句「失われた10年」は早,その3周回目を通り抜けてさらに現在は,その4周回目を突進中であるかのように映る「日本事情」があった。なんというか,日本国内においては「そればかりだけはなぜか,生き生きと現象している」。
ここで菅 義偉に推された進次郎が出てきたところで,この「世襲4代目の政治屋」の〈はな垂れ小僧〉に,いったいなにができるというのか?
せいぜい,オヤジの純一郎が竹中平蔵と組んでぶっこわしてきたこの国を,その息子がさらに完全にガレキ化させることしか貢献できまい。
マツコ・デラックスが指摘したのは,「小泉進次郎氏の話し方や行動が誰かにコントロールされているようにみえるとして,小泉進次郎氏をもち上げようとする動きに強い警戒感を示していました」という核心にあった。
この核心の問題性が「一連の様子が自民党総裁選に合わせてSNSで話題となり,マツコさんの発言動画がX(旧ツイッター)で100万回以上も再生されています」という経緯を生んでいたというのであった。
〔ここから『東京新聞』記事に戻る ↓ 〕
◆-1「すでに退いた人が…違和感」
菅氏が進次郎氏の支持を明言したのは,〔2024年9月〕8日に横浜市のJR桜木町駅前であった街頭演説でのこと。「日本のかじ取りを託したい」とエールを送った菅氏の行動をどうみるか。「こちら特報部」は12日に同駅前で尋ねた。
「個人的には嫌いな人ではないが,すでに首相を退いた人が前面に出てくるのは違和感がある」と自営業の男性(49歳)。裏金問題への対応や脱派閥の行方を注視しており,「自民党を変える総裁選であればなおのこと,存在感を消すべきなのでは」。
菅氏の実績と人柄に期待を寄せる声も。会社員の湊大樹さん(36歳)は「表舞台で活躍するというよりも,表情を変えずに縁の下の力持ちとして働く人という印象」と語り,「進次郎氏は無鉄砲なイメージ。総裁になるかは分からないが,後ろ盾としては菅氏は最適ではないか」と続けた。
補注)この「表情を変えずに縁の下の力持ちとして働く人という印象」とは,いろいろの意味で解釈が可能である。このあたりを勘違いしたごとき前段の意見に囚われそうな人には,森 功『菅 義偉の正体』小学館,2021年2月を一読されるよう勧めておきたい。新書版なので値段は買いやすいし,内容も読みやすい。
同書の宣伝文句は,こう謳っていた。さきに予断的にいわせてもらとすれば,どうということはなく。よくいる自民党の平々凡々たる政治屋の1人が菅 義偉……。
◆-2「ここ数年の本音は岸田おろし」
「武骨な人格を信頼していた」と語る上村輝代さん(80歳)は「年齢のためか,最近は体調がよくないようだ」と懸念し,「若い人が表舞台に立つほうがいい。次世代にバトンを渡さないと,希望のない国になる」と訴えた。
補注)というか,菅 義偉の最近になってみせた表情・人相には生気がなかった点は,前段に触れてみた。前述にも指摘があったのように,なにか重かった疾病の影響でもあったのか,それとも以外にもなんらか気力の低下を来た原因でもあったのか,ともかく,その顔つきをニュースなどにみるかぎり,冴えない。もう引退したほうがよいのでは? さんざんに国民たちには大迷惑だったこの男。
結局,安倍晋三の第2次政権時,官房長官を長く勤めてきた菅 義偉であったものの,この日本の政治をひたすら劣化・溶融させた反民主主義の立場だけをきわだたせていた。
安倍晋三の悪政は,この「世襲3代目の政治屋」自身だけの責任ではなかった。相棒役の官房長官に就いた菅 義偉に特有の陰湿さは,内政に対する弾圧を得意とする人的素質に淵源していた。
だが,彼は,10年先を考えるための政治感覚は皆無であった。それゆえ,アベの幼稚さをかばうことに関して忠実であっても,政治そのものを盛り上げるために「縁の下の力持ち」となる役割とは無縁であった。
つまり「あんな晋三君がいて,こんなヨシヒロ君もいた」わけである。
〔記事に戻る→〕 コロナ禍のなか,1年余で幕を閉じた菅政権。2021年,東京五輪の強行開催後に辞職し,岸田文雄政権では非主流派になった。
政治評論家の有馬晴海氏は「自身の政権を岸田氏につぶされ,本音では『岸田おろし』がここ数年のテーマだった。健康不安であまり動けなかったが,昨〔2023〕年ごろから民放などで首相退陣論を訴え,今回の進次郎氏の決断とタイミングが重なった」と解説する。
◆-3 世襲嫌いの菅氏が認めた資質
そもそも菅氏と進次郎氏の接点はどこにあるのか。
ともに自民の神奈川県連で,進次郎氏は菅政権で環境相として入閣したが,有馬氏によると,進次郎氏の地元,横須賀市長選での共闘が蜜月のきっかけになったという。
「2013年に1度は敗れたものの,4年後には別の候補でリベンジを果たした。困難をともにした経験が信頼関係の元になった。県連内での交際もあり,もともと世襲嫌いの菅さんも進次郎氏の資質を認めた」
補注)よく分かりえないのが,この「もともと世襲嫌いの菅さんも進次郎氏の資質を認めた」という点。前段でマツコ・デラックスが進次郎のことをボロクソに非難していった点とは,どうしたら噛みあえる理解なのか,それこそ理解に苦しむというべきか,あまりにも断層が大きすぎた。
◆-4「安倍・麻生」体制で進次郎氏は孤立
菅氏が政治家として注目を浴びたのは,進次郎氏の父,純一郎氏が推し進めた郵政民営化の旗振り役として,竹中平蔵総務相のもとで副大臣に抜てきされて以降のことだ。第1次安倍政権でも総務相を務め,実力派としての地歩を固めた。
菅氏を扱った著書があるノンフィクション作家の森 功氏は「政界を引退したあとの純一郎氏と菅氏は付き合いがない」と前置きしたうえで,「安倍晋三,麻生太郎の両氏が主流だった党内で孤立していた進次郎氏にとって,陰日なたに世話をしてもらっていた菅氏が頼るべき存在だったということだ」と話す。
「仮に進次郎氏が総裁になった場合,経験不足で閣僚人事もおぼつかない。そうなると,菅氏が影響力を行使することになる。まさに傀儡(かいらい)政治で,自民党が一番,問題視されてきた現象が繰り返されてしまう」
◆-5 人事で官僚をコントロール
では今後,どう展開しうるのだろうか。菅氏といえば,安倍政権の官房長官時代から強権的な手法でしられていた。
内閣人事局を通じ,官僚の人事に積極的に関与し,意向に従わなければ冷遇したとされる。首相に就いた2020年9月には日本学術会議から推薦を受けた会員候補6人の任命を拒否。安保関連法や特定秘密保護法などで政府の方針に異論を示してきた歴史学者らで,排除の姿勢が浮かんだ。
ジャーナリストの青木 理氏は「安倍・菅政権では,官僚の人事を掌握することで忖度(そんたく)が広がった。森友学園をめぐる財務省の公文書改ざんの遠因にもなった」と振り返り,「菅氏が政権に影響力をもてば,官僚をコントロールし,同じようなことが起きるのではないか」と懸念する。
◆-6 規制緩和「竹中平蔵氏の後継者」
菅氏は首相就任後の所信表明演説で「自分でできることは,まず自分でやってみる」と「自助」の重要性を説いた。当時,問題視されたのが「企業優遇の規制緩和」「庶民は自己責任」に傾く新自由主義との共通点。その新自由主義を日本で広めた代表格が慶応大名誉教授の竹中平蔵氏。前出の通り,小泉純一郎政権で竹中氏と菅氏はそれぞれ総務相と副大臣だった。
竹中氏の取材経験がある政治ジャーナリストの鮫島 浩氏は「2人は規制緩和の急先鋒として密接な関係にあり,菅氏は竹中氏の後継者といえる」と解説する。
今回の総裁選にも言及し「規制緩和派の菅氏と既得権益を守る側のボス,麻生太郎氏の代理戦争,キングメーカー争い。それぞれに付く官僚や応援団もいる。主戦場が規制緩和の是非になると考えると,分かりやすい」と読み解く。
◆-7「改革」を連呼… 父をほうふつ
菅氏が支持する進次郎氏の訴えには,すでに竹中色がにじんでいるという。〔9月〕6日の出馬会見で語ったひとつ,大企業向けの解雇規制の緩和だ。鮫島氏は「解雇規制の緩和は,竹中氏らがめざす本丸のひとつ。進次郎氏が当選すれば,解雇規制の緩和をめぐる攻防を第1ラウンドとして,あらゆる分野で規制緩和が進むと考えていい」と予測する。
補注)進次郎は「解雇規制の緩和」を推進するとすでに表明していたが,実際にそうなったら,労働市場の日本的特性に鑑みれば,さらに非正規関係にはめこまれていく労働者群だけが増進しかねない。
「炊き出しの列に正社員までが並ぶほど日本は貧しくなった」というのに,である(この一句は後掲の『田中龍作ジャーナル』から引用)。
関連してひとつだけいっておく。少子化(出生数・合計特殊出生率)にさらに拍車がかけられることになる危険性,大である。
進次郎は「アメリカの使い走り」だという以上にというか,その以前においてすでに,この国を破壊するための「自分の役割しか具有しえない人物」だとみなしていい。それに,ともかくも,政治家としてはみごとなまでの小人物。
ただし,ジャパンハンドラーたちは,この進次郎が日本の首相になることを大いに期待していることだけは,確かである。なぜかという点はあえて説明するまでもない。岸田文雄も大統領のバイデンに対面したときは,借りてきた金魚鉢のなかの1匹のごときにしか言動できていなかった(そのようにしか,泳がせてもらえなかった)。
〔記事に戻る→〕 出馬会見で進次郎氏は「『聖域なき規制改革』を進め,自民党を真の国民政党に立て直す」と述べ「改革」を繰り返した。父の純一郎氏が首相時代に掲げたキャッチフレーズ「聖域なき構造改革」「自民党をぶっ壊す」を思い起こさせる。
補注)ところで,なぜ「創る」ことではなくて「壊す」ことばかりが強調されるのか? なにかを「創る」ことについての議論がなされようとしていなかった。その大事な条件・前提が不在。どうしてそうなっているのか?
〔記事に戻る→〕 規制改革のため,竹中氏を国務大臣に抜擢したのが純一郎氏だ。今月11日には,進次郎氏に「大人だからあれこれいわない」と伝えたと記者団に明かした。政治的に介入していないようないい方だが,進次郎氏に父の影響はないのか。
【参考記事】-『毎日新聞』から-
◆-8「まとわりつく年寄り」は他にも?
先の青木氏は「全員とはいわないが,世襲議員は劣化コピーになりがちだと思う」と語る。「世襲議員は究極の既得権益であり,地元の権益ピラミッドを維持するのが使命。根本的な改革は宿命的にできない」。進次郎氏は「改革」を叫びつつ,純一郎氏と竹中氏,菅氏の3人が進めた路線を受けつぐとの見方だ。
評論家の佐高 信氏は「規制緩和というと,いかにも無駄な規制をなくすというイメージだが,結局は必要なルールを外して特定の企業が儲かる『規則緩和』に過ぎない」と,規制緩和路線を批判する。
懸念を強めるのは,首相を退いた後も影響力を行使しようとする政治家が目に付く点もだ。
今回の総裁選も例外ではなく,「進次郎氏の背後には,森 喜朗氏もいる。進次郎氏の年齢は若いが,本当に若い考え方ができるのだろうか」と疑問を投げかけ,「世襲議員に年寄りがまとわり付き,『院政』を敷こうとする。こんなことではまともな民主主義は機能しない」と訴えた。
◆-9 デスクメモ
菅氏は進次郎氏に構うより,兵庫県知事の問題に向きあったらどうか。知事選で自民が推薦を出したのは菅氏の総裁時。あの人がいいとお墨付きを出した立場。責任が問われる話だ。先々に影響力を残すより,過去の後始末を考えるべきでは。もちろん,みずからの身の振り方も含め。
以上,『東京新聞』からの引照と若干の寸評付加であった。だからか,「『進次郎の知的レベル』 記者会見の真相バラします」『田中龍作ジャーナル』2024年9月7日 18:08,https://tanakaryusaku.jp/2024/09/00031368 が正直にこう語っていた。
a) 進次郎は,中学生レベルの漢字が読めなかった安倍晋三に似ている。悪賢いが,知的レベルは恐ろしいまでに低い安倍が日本をここまでダメにした。国家,経済,社会の摂理をわきまえていたら,内閣人事局だのアベノミクスだの加計学園だのはありえなかった。
能力の低い政治家をマスコミがチヤホヤして幹事長⇒総理総裁と昇り詰めさせた。マスコミの罪は重い。〔しかも〕マスコミは再び同じ過ちを犯そうとしている。
b) ハプニングもあって田中〔龍作〕は,進次郎に質問をぶつけることができた。
「小泉さんがこの先首相となってG7に出席された場合,知的レベルの低さで恥をかくのではないか? あなたはそれでも総理をめざすのか?」と。
進次郎は顔を真っ赤にして怒るのか? あるいは河野太郎のように木で鼻をくくったような態度で否定するのか? と想像していたのだが対応は意外だった。
進次郎はニコやかな表情で,「私に足らないところが多くあるのは,それは事実だと思います。そして完ぺきではないことも事実です」と認めたのだ。
そのうえで,「しかし,その足りないところを補ってくれるチーム,最高のチームをつくります。そのうえで各国のリーダーと向きあう覚悟がある」と斬り返してきたのである。人たらしの異名を取るだけのことはある。(『田中龍作ジャーナル』引用終わり)
田中龍作に対してはなんだが,あの進次郎がどうしたら「人たらしの異名」たりうる人物「世襲4代目の政治屋」であるのか,本ブログ筆者の感覚的な理解では,どうしても疑問しか浮かばない。
※-3「自民党総裁選各候補者の推薦人における『裏金議員』一覧・・・ダントツはあの人!! ゼロでも支持者の中に「裏金議員」が隠れている候補者もいるから要注意!!」『くろねこの短語』2024年9月13日,http://kuronekonotango.cocolog-nifty.com/blog/2024/09/post-4e6534.html の「自民党裏金問題」批判。
自民党総裁選の絶望的な顔ぶれのなんとおぞましいこと。どの面見ても,人品骨柄が卑しそうで,ハッキリいって昭和の顔つきとでもいえばいいのでしょうか。
で,つらつら考えるに,自民党総裁選に至ったそもそもの発端は,政治資金パーティにまつわる「裏金」にある。「裏金」にどう対処していくかというのが最大のテーマだ。
ところが,候補者の誰もが「裏金」には消極的で,メディアもなぜかそこを突こうとはしない。
補注)いまどきの大手マスコミ・メディアは,「社会の木鐸」を全然はたしていない。その役目は問題意識が豊富で批判精神に富むユーチューブ動画サイトに,すでにだいぶ移動してしまった感すらある。
なにゆえ毎日,毎日,ろくでもない自民党裏金議員たちまでがからんだ総裁選を,自民党の広報紙よろしく逐一,詳細に報道する必要などあるのか?
なかんずく,批判精神なき大手新聞社やテレビキー局は,不要・無用の時代になっている。しかも「第4の権力」が政権側に媚びる報道しかできなくもなっているのに,いまだに政府御用新聞的な報道しかしない・できない新聞社は,ただちに新聞発行を止めにしたらよい。
実際,紙の新聞紙を作り売る商売は下降線一途であり,もうすぐどこのあの新聞社がまず潰れるといった予想ならば,面白おかしく評定されてもいる時期である。
用済み同然になった新聞社の代表格が読売新聞社,つぎに産経新聞社,朝日新聞社や毎日新聞社とて同じ線路を発していることに変わりはなく,単にあとさきの違いしかみえないでいる。それでいて,大手各紙は,自社の報道機関として転落ぶりを自覚しようとしない。
日本の新聞社は電子版中心には移行できない経営現状のなかで,今後に向けてもさらに発行部数を減らしていく傾向しか望めない。権力側に真っ向から刃向かう記事・報道ができない新聞社は,当然,1社も要らない。
最後となるが,本論の話に戻りたい。
〔記事に戻る→〕 というわけで,自民党総裁選告示に当たり,各候補者の推薦人20名に「裏金議員」が何人いるか・・・。その一覧を東京新聞が載せているのでとくと御覧してほしい。ツボホーク小林君のように,表面的には「裏金議員」ゼロでも,支持者の中には10人ほどの「裏金議員」がいるそうだから,そんなところを推理してみるのも面白い。
つぎの『東京新聞』の解説があった。自民党総裁選のあれこれのうち,とくに裏金議員の関与を分析していた。裏金,裏金……という問題は,すでに消えてなくなったわけではない。
この自民党,いったいなんのための「自党総裁選」を実施するつもりなのか? われわれの血税を蚊や蛭でもあるまいに,いい気なって「チューチューしまくっていた」問題,これをまともにケリも付けないで済まそうとしている連中である。許す国民が多数派だと勘違いし,はじめから大きな思い違いをしていて,よくも悠然としていられるものである。
それに世襲議員が4代目まですでに40歳代になって「成長過程」を歩んでいるこの国政界の様子は,この自民党政治の基本構図が「日本の没落」をより早期に招来させかねない現状を意味する。
【参考記事】-『くろねこの短語』から-
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