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世界に冠たるわが神州の天皇・天皇制に対して国連の女性差別撤廃委員会が異議を申したてるとはけしからぬと,八紘一宇風の神国観念からなにやら息巻くニッポン国の今日的に「衰退途上国風の後進的な政治事情」の情けなさ

 ※-1「皇位継承にも言及,男系男子限定を問題視 国連委」『毎日新聞』2024年10月31日朝刊という報道

 この記事であるが,まず画像資料で紹介し,記事全文「活字」もつづけて引用しておく。この記事なりにたいそう興味がもてる中身であった。

夫婦同姓を義務づけている国は
わが日本だけであると確信はできている

だから他国などにそれにチャチを入れる筋合いなどない
と反論するこの国であるが

はたしてまともに説得力ある議論を展開できるのか?

 以下は上掲画像資料を活字で引用する段落となる。本ブログ筆者は,こちらでの引用は2つの別立てで報道されていた記事から併せて拾っているが,画像資料の記事は,この2つの記事をひとつの記事にまとめて報道していた。ただしここでは,その区分をしてあった記事のほうの体裁を尊重した引用法にしておく。

 ▲-1「〈BeMe~私らしく〉 国連委 皇位継承にも言及,男系男子限定を問題視」(「毎日新聞 2024/10/31 東京朝刊 有料記事 365文字」)

 国連の女性差別撤廃委員会は〔2024年10月〕29日,日本の女性政策について最終見解を公表し,夫婦同姓を義務付ける民法の規定を見直し,選択的夫婦別姓を導入するよう勧告した。また,男系男子に皇位継承を限る皇室典範の規定にも言及した。

 女性差別撤廃条約の理念と「相いれない」と指摘し,皇室典範の改正を勧告した。皇室典範をめぐっては,前回の2016年審査時,改正勧告を盛りこむ最終見解案に日本側が強く抗議し,記述が削除された経緯がある。

 慰安婦問題にも触れ,被害者らの賠償請求などの権利を保障する努力を続けていくよう日本政府に求めた。

 委員会は,女性差別撤廃条約の締約国が実践する差別解消への取り組みを監視。不十分と判断した点については,最終見解に勧告を盛りこむ。今回は,日本のほかにカナダやチリ,サウジアラビアなどが審査対象となっている。

 ▲-2「皇室巡る記述に日本政府が抗議」(毎日新聞 2024/10/31 東京朝刊 有料記事 308文字)

 林 芳正官房長官は〔2024年10月〕30日の記者会見で,国連の女性差別撤廃委員会が男系男子に皇位継承を限る皇室典範の改正を勧告したことに対し,政府として強く抗議し,削除を申し入れたことを明らかにした。

 「我が国の立場を説明して記述削除を要請したにもかかわらず,皇室典範に関する記述が盛りこまれたことは大変遺憾だ」と述べた。

 林氏は皇位継承について「国家の基本にかかわる事項であり,皇位に就く資格は基本的人権に含まれていない」と説明。「女性に対する差別の撤廃を目的とする女性差別撤廃条約の趣旨に照らし,同委員会が我が国の皇室典範について取り上げることは適当ではない」とする日本政府の立場を事前に同委員会に伝えていたことを強調した。

 以上の記事を読んだときとくに,最後に官房長官林 芳正が,皇室関係の人びとが「皇位に就く資格は基本的人権に含まれていない」ゆえ「国家の基本にかかわる事項であ」るから,国連の女性差別撤廃委員会が「男系男子に皇位継承を限る皇室典範の改正を勧告したこと」は「大変遺憾だ」と応じて,つまり反論を返したという文面に接したとき,おもわず「吹き出してしまった」。

 皇族たちが基本的人権をもたされていないという,官房長官の返答を聞かされてこれに非常な違和感というか,奇妙な感覚を抱かない者はいないはずである。その事実らしい現状のことは,実際にそうなっている皇族たちの立場に関した話題であったにしても,なにかがおかしいと感じるのは理の当然というか必然。

 しかも,その皇族・皇室の「家長である天皇」がである,旧大日本帝国が敗戦したさいも,政治的には延命することができて,そのまま新しく公布された日本国憲法のなかでは,つぎ(※-2)のように規定される当人になれていた。


 ※-2 日本国憲法における天皇の地位

 a) すなわち,第1条で「天皇は,日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて,この地位は,主権の存する日本国民の総意に基く。」と大上段に構えて規定してはいるものの,

 つぎの第2条で「皇位は,世襲のものであつて,国会の議決した皇室典範の定めるところにより,これを継承する。」などと,ごく常識的な理解からしても「ナゾナゾ以前」の,ずいぶん不可解なものいいがなされている。

 わけしりの人ならば,もしかすると「ははー,それで日本の政治においても世襲政治屋が多いんだね」などと奇妙に納得したりするかもしれない。

 敗戦後,GHQ(米軍を主勢力とする日本占領軍の最高司令官総司令部⇒「連合国軍最高司令官総司令部」)が,第2次世界大戦終結にともない,日本で占領政策を実施する連合国を代表する軍機関として,ポツダム宣言を執行することになった。

日本国憲法の基本精神を図解的に説明

 とはいえ,そのGHQの最高司令官となったダグラス・マッカーサーは,旧大日本国憲法の代わりに日本に与えた「新しい憲法:日本国憲法」は,古代史的な(?)封建遺制である天皇・天皇制を,いわば彼がこの国を占領・支配し,統治・統制していくために,いってみれば『ビンのふた』に活用する都合上,そのまま残置し活用を図ったのである。

 b) つぎにかかげるのは,敗戦後日本史に関した史料としては有名であるが,「日本国憲法が制作される」に当たり,その基本事項3点を指示していた「マッカーサー三原則」は,つぎのように骨子(内容)であった。

このうちのなにが問題になったのか?

 この「マッカーサーメモ」とも指称される日本国憲法の,それもとくに天皇・天皇制を基本的に決めなおすためのこの要領:要点は,まともに日本語が読める人であれば,即座に気づくほかない〈矛盾点〉が「しこまれていた」。そしてまた,そういう具合に受けとる以前に,ごく自然に,簡単に気づく「前後した矛盾」がそもそも露見していた。つまり,その矛盾となる中身が堂々と披露されていたのである。

 「どういうことか?」などと問う前にすぐに気づきそうな論点(前後してどうしようもなく自家撞着として発覚していた決定的な齟齬)は,つぎのように把握できる。 

 まず,前段に示した三原則のうち「1」は,「天皇は,国家の元首の地位にある」と規定したさい同時に,「皇位の継承は,世襲である」ともいいながらも,この「天皇の義務および権能は,憲法に基づき行使され,憲法の定めるところにより,人民の基本的意思に対し責任を負う」と断わっていたのだが,同時につぎのようにも規定すると指示していた。

 つまり「日本の封建制度は,廃止される」が,しかし「皇族を除き華族の権利は,現在生存する者一代以上に及ばない」し,「華族の授与は,爾後どのような国民的または公民的な政治権力を含むものではない」と措置していた。

 c) 天皇・天皇制は「封建制度」まがいソノモノであったことは事実だが,ともかく,古代史的な大昔の過去史を明治維新のさい亡霊的に立ち上げるさいしては,それこそ「明治謹製」のヤマト国新体制として生き生きと復活させねばならなかった。

 脱亜入欧・富国強兵・殖産興業の推進のための必要となる「国家(臣民)用の民族精神昂揚」策が,いってみれば,古代史的にはその記憶は全然不確かであったけれども,ともかくそれを大いに活用する方途を狙って講じられたのは,当時までの米欧帝国主義路線の侵出に対抗し,防遏していくための国家総合力や臣民精神力を涵養するために,明治時代流に翻訳したうえで役立てようとしたからであった。

 d) ところが,明治維新以降77年が経った1945年8月,日本はあの大戦争に敗北した。事後,米軍を中心とする占領軍に支配・統治される国になった。大日本帝国憲法はもうダメだ,通用させないぞと強制指導するGHQ,その親分さんのマックからは,当時における国際政治情勢のありようを意識してだったが,

 ともかく早く「U. S. A. 」好みとなるように,しかも,アメリカがその後において日本をさらに都合よく占領政策を展開・維持するためにも,あの「日本国憲法」を “与えてくれた” というか,あるいは “押しつけてくれた” わけである。

 だからアメリカ側は天皇・天皇制を残しておいたし,21世紀のいまになってもこの日本は「対米服属国家」だと,政治学の専門家であってもすなおに認めざるをえない「この国の実情」(実体ではアメリカの植民地でありつづけてきたがごとき現状)は,その天皇一族が敗戦後に健全に生きのびることができた〈実績〉とは裏腹の事情関係そのものになっていた,と表現したらよい「今日的な事情」として,なお持続可能な状態でありつづけている。

 e) ただし,大きなみのがせない問題が残置されたままになっていた。それは『古代史的な封建遺制』だと,本ブログ筆者が指称してみた「天皇・天皇制の現在地」のあり方に関して,あまりにもあからさまに表出されていた問題を意味していた。

 前述に引用してあったが,ここでも反復する。こういう主旨をもって,日本の憲法第1条以下にかかわる問題性を指摘してみた。

 「国連の女性差別撤廃委員会は,日本の女性政策について最終見解を公表し,夫婦同姓を義務付ける民法の規定を見直し,選択的夫婦別姓を導入するよう勧告した」だけなく,

 「また,男系男子に皇位継承を限る皇室典範の規定にも言及した」のは,「女性差別撤廃条約の理念と『相いれない』と指摘し,皇室典範の改正を勧告した」と。

 以上の指摘(勧告)は理解するのに,なにも困難な要求にはなっていなかった。男女平等が日本の皇室にはないから,これをなんとかしたらどうかと意見してきたのが「国連の女性差別撤廃委員会」の立場であった。

 f) ところが,官房長官林 芳正の反論・批判が振るっていた。皇室関係の人びとが「皇位に就く資格は基本的人権に含まれていない」ゆえ,「国家の基本にかかわる事項であ」ると応えた。

 それでは,皇室にあっては男女共同参画の問題は,しごく薄味にしか推進されえない。しかも自明の理としてそういっておくほかない。ましてや,皇位継承の問題では女性は除外にしたままで,これからの21世紀をいつまでも突き抜けていくつもりなのか?

 たとえば,君塚直隆「天皇陛下の退位:欧州の王室と日本の皇室」『nippon.com』2017年1月26日,https://www.nippon.com/ja/currents/d00291/ は,政治学の専門家の意見としてだったが,明仁天皇が退位・上位の問題をみずから提起した時期にであったが,一般論で,しかも男女の性別にかかわる問題そのものには触れずに,こういう見解を披瀝していた。

 皇族をいまだに「雲上人」のようにあつかいい,戦後民主主義が進展するなかでも皇室を国民から隔離するかのような,宮内庁や政府から国民に向けての情報発信の欠如がみられる。

 陛下のご公務とは具体的にどのようなもので,皇室全体で年間どなたが何件ずつのご公務を担われているのか。そういった現実をしっていれば,国民の多くも陛下の「おことば」をよく理解できたのではないか。

 今後の皇室や宮内庁にとって大切となってくるのが,国民に対してより多くの情報を発信して,皇室と国民の関係をより密接なものへと変えていくことではなかろうか。

君塚直隆は関東学院大学教授

 以上の意見はあくまで,国内問題として皇室・皇族たちを囲む「現実的な問題のひとつ」に言及したものであったが,それとともに,日本以外の「王族がいまだに存在する国々で王位の継承の仕方」が,どのような事情にあるのかを比較制度論的に吟味しないことには,自国の皇室に関した議論はもちろん,さらにはなにかの提言が適切にできるとは思えない。

 g) さらにたとえば,その種の問題として日本の皇室・皇族の内情がどのように存在しているのか,国際制度面から詮索するにたとえば「現在の君主の一覧」というウィキペディアの解説のなかには,日本以外に「象徴天皇制」という王族を置く国家はみあたらない。

 したがって,絶対君主制とか立憲君主制という君主制の枠内には収まりにくい問題点がそもそも淵源していた。再言するならば,その問題の性質はまさに,前段でもちだしてみた「マッカーサー三原則(メモ)」に「象徴(!)される」民主主義の,政治制度そのものでありながらもなお,世襲の一族に皇位を絶対的に占有させているという,いわば腸捻転的に奇怪な日本国憲法の造り:カラクリそのものにまで,さかのぼるべきものとなっていたのである。

 しかも,その世襲だという天皇位は男系1本槍であって,女性は天皇にはなれない。国連の女性差別撤廃委員会が口出してきたのは偶然な出来事ではなかった。また,別姓については同委員会は民法の見直し,選択的夫婦別姓の導入を勧告してきた。

 なお,大昔の天皇には女性天皇はいた。女系天皇はしかし,置こうとしなかったと天皇史研究者はいちおう解説してきた。いずれにしても天皇になる人間は,人間の女性から産まれるから,女性を軽視ないし無視した話の進め方は,ある意味では噴飯モノにならざるをえない。Y染色体がいかほど価値があるのかしらないが,女性の子宮がなければ子どもは絶対にできない,不可能以前の不可能の話……。

 h) そもそも日本の家制度や家族のあり方においては,夫婦同姓という規定は明治憲法にともない登場していたのであって,なんら日本古来の伝統でも習慣でもなかった。にもかかかわらず,日本政府側はなぜか,国連の同委員会に対しては頑強に抵抗している。どうみても意味不詳の反応。

 もっとも経済界側の経団連は,国際経営を実践面では展開しているこの時代に,女性たちのとくに経営陣・管理職たちの場合,活躍しにくくて困るといっており,なんといっても実益的な便宜に支障があるゆえ,早く夫婦別姓の制度を導入しろと政府をせっついている。

 

 ※-3「女性差別撤廃委,皇室典範改正を勧告 識者『日本は世界の流れ逆行』」『朝日新聞』2024年10月30日 10時45分 https://www.asahi.com/articles/ASSBY5323SBYUTIL027M.html

 なお以下は,「投稿者 達人が世直し」『阿修羅 掲示版』2024年10月30 日 21:55:28 http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/822.html を引照した記述となる。

 --オイ,コラ!,早く,女性差別を撤廃しろ!

 また「国連の女性差別撤廃委員会」から叱られてしまった,日本。なにをグズグズしているのか。何度目だ?

 「男系男子のみが皇位を継承することを定める皇室典範を改正するよう勧告を受けた」。

 日本の場合は,皇室の女性差別を無くさないかぎり,本当の意味での「ジェンダー平等」の社会は訪れない。

 以下に〔当該『朝日新聞』の〕記事の途中までを転載する。

 国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)は〔2024年10月〕29日,日本政府に対する勧告を含む最終見解を公表した。最終見解では,皇位継承における男女平等を保障するため,男系男子のみが皇位を継承することを定める皇室典範を改正するよう勧告した。

 象徴天皇制について研究する名古屋大学大学院の河西秀哉准教授は,「勧告によって,議論が進むことを期待する。勧告は,長年国内での議論を先送りにしてきた結果ともいえる」と話す。

 皇位継承については,憲法第1章第2条で「皇位は世襲のものであって,国会の議決した皇室典範の定めるところにより,これを継承する」と明記されている。

 皇室典範は1947年に公布された法律で,第1章第1条で「皇位は,皇統に属する男系の男子が,これを継承する」と定めており,天皇には,父方が皇族の男性に限ってなれるとする。第2条には継承の順位を規定しており,天皇の長男を意味する「皇長子」を1位としている。

 --記事の転載はここまで。以降は有料記事のため読むこと叶わず。

『朝日新聞』からの引用段落
 

〔ここで『阿修羅 掲示版』に戻る→〕 「男系男子のみが皇位を継承することを定める皇室典範を改正するよう勧告を受けた」日本。この勧告に対して,政府は削除を申し入れたそうな。

 『毎日新聞』が報じている。「官房長官,皇位継承巡る国連委勧告に抗議『国家の基本に関わ』る」(⇒ なお本記述内では冒頭においてこの『毎日新聞』の記事を引用してあった)

 〔その〕記事によれば,「林氏は皇位継承について「国家の基本に関わる事項であり,皇位に就く資格は基本的人権に含まれていない」と説明。・・・」〔を〕「したとのこと」。

 〔だが〕この林氏の説明では,相手を説得できない。

 林氏は大上段に振りかぶって「国家の基本に関わる事項」と大きく出たが,国家の基本を「象徴」に求めることじたいありえない。

 「象徴」とは,カタカナ英語で言えば「シンボル」。

 国家の基本をいうならば,「国民主権」であり,「平等の原則」(基本的人権の尊重)であり,「平和主義」だろう。

 また,「皇位に就く資格は基本的人権に含まれていない」というのも,憲法のどこにも「そんなこと」は書かれていないし,語るに落ちるというものだ。

 基本的人権に含まれないということは,「差別」「特権」という事だから・・・〔そもそも書けなかった〕。こんな説明では,何度でも叱られるわけだ。

 日本国憲法 第1条〔は〕「天皇は,日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて,この地位は,主権の存する日本国民の総意に基く。」〔と書いている〕

 しかし,実体はといえば・・・。天皇および皇室は,日本の「差別の象徴」といえようか。そんな日本でも,立派な憲法をもっているんだが。

 日本国憲法 第14条〔は〕「すべて国民は,法の下に平等であつて,人種,信条,性別,社会的身分又は門地により,政治的,経済的又は社会的関係において,差別されない。」〔と書いているし,さらにはこうも断わっていた〕

  華族その他の貴族の制度は,これを認めない。

  栄誉,勲章その他の栄典の授与は,いかなる特権も伴はない。栄典の授与は,現にこれを有し,又は将来これを受ける者の一代に限り,その効力を有する。

 そして憲法前文では国民に行動することを求めている。「われらは,これに反する一切の憲法,法令及び詔勅を排除する。」

 〔しょせん〕「国連の女性差別撤廃委員会」が改正を求める「皇室典範」は一法令に過ぎない。

 どうする日本。日本国憲法では,もっときびしく,「排除」することを求めている〔はずだ〕が……。

 さらに,憲法上の制度でしかない「象徴天皇制」の皇位を世襲にしていることじたい,制度の持続可能性を担保できておらず,しかも憲法14条の「平等の原則」に反するという矛盾を抱えており,「皇位を世襲」に固執することに,どんな意味があるのかはなはだ疑問といわねばならない。

(以上で『阿修羅 掲示版』の記事引用終わり)

 さて,以上のように参照してみた「投稿者 達人が世直し」氏が『阿修羅 掲示版』に披露していた「天皇・天皇制」に関する見解は,日本国憲法のなかに,あの気取り男だったマッカーサーが,わざわざ差しこんでおいた〈なにもの〉かをめぐり批判を下していた。

 マッカーサーの意図がいったいどこにあったのか,いまだに不分明であるけれども,ともかく21世紀になっている現在,国連の女性差別撤廃委員会からは,日本国憲法関連でイチャモンが連発して飛んできた根本の原因は,この天皇・天皇制の建て付けであったことにある。いまさら分かった問題でもなかったはずだが……。

 要するに,男女差別の典型例としてそのもっとも分かりやすい,つまりの「反・実例」の見本が,とくに敗戦後史における日本においては,皇室が継続的に存在しつづけてきたなかで,依然残っていた。

 しかもこの皇室のありようが実は,「明治以来にその99%は創造された伝統であった」点を,おくびに出さない〈操作・工夫〉をほどこしたうえで,なおかつ,ついでに,不都合な「過去の歴史の側面・要因」は,極力〈隠蔽・捏造〉したうえで展示されてきた。

 いまどきになってもあいかわらず日本は,世界各地に向けてだが,この天皇・天皇制というすばらしい皇族制度をもっている「わが国 ニッポン」は,われわれにとってみればすごい誇りになのだと喧伝したい。

 とはいえ,いまどきの日本がまさか本当に,後進国に出戻りでもしたいのか? 

 とりわけ明治謹製の法的制度であったものでしかありえず,なんといっても大昔から日本固有の伝統でも習慣でもなかった「夫婦別姓」を,とくに女性たちに対して選択させず,完全に否定してきた明治民法以来の規定を,ただかたくなに墨守しようとする,いわばその女性向けの人権感覚の希薄さは,とくにもっぱら女性を差別するためのその規定になっていた。

 そういした歴史の事実を,頭からまともに理解しようともしない法的感覚の残滓は「明治時代から受けついだ石頭的な時代錯誤」として,大いに非難されて当然であった。

 最後につぎのような画像資料の2点を出して,〆とする記述材料としておきたい。

醇風美俗としての日本における家族制度があれば
離婚もないし親不孝もありえないということか

それは冗談にしか聞こえない狂信的な「病理的発想」であって
「そういうふうには」全然なっていなかった過去しかありえなかった

 さらにつぎは『日本経済新聞』朝刊のコラム「春秋」の紹介となる。あの岸田文雄流にたとえていえば,「世界のなかでは異次元的に異質なのが」日本の夫婦同姓制度ということであった。これはいまもそうだという話題。しかも民意からも大きくズレているそれであった。

いつまでもこの問題になるともたもた「かつ」もやもや


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