旅愁  妻の伴奏で歌いました。

内戦後の荒廃した状況からの、早期復興を熱望したクロアチア政府からの要請を受け、私は合唱団と共に現地を訪れ演奏会を開いた。

本番の前、一通のファックスがホテルに届いた。

「お父さん、ご免なさい。また車、少しぶつけてしまいました」

あーあ またか!

しかし、本人は無事だと言う事が聞けたので、大して、気にもしなかった。

しかし、帰国してから詳細を聞いて、頭をハンマーで殴られた様な強烈な衝撃があった。

車は全損。

後数センチズレていたら即死の事故だったそうだ。

4トンのクレーン車に、運転席側から突っ込まれたそうだ。

事後処理の体制は死亡事故扱いだったそうだ。

二人で廃車置き場に向かい、我が家の愛車の見るも無惨な姿に足が震えてしまった。

この動画は帰国後のコンサートで伴奏に難色を示した家内を説得し、二人で本番に臨んだ。

「わびしき想いに一人悩む」と言う歌詞が有るのだが、紙一重で救われた幸運に深く感謝した。

拙い文ですが、溢れ出る思いを、人に伝えたいと願っています。日常にある小さな出来事ばかりですが、その視点により皆が幸せになれると嬉しいです。何より読んで欲しいと切望しています。宜しくお願いしますね!