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移民国家日本

 バイデン大統領が「日本は外国人が嫌いで移民を望んでいない」と発言したことに対し、日本政府は「日本の政策の正確な理解に基づかない発言」だと反論した(米バイデン大統領「日本は外国人が嫌いだ」発言に日本政府が抗議|日テレNEWS NNN (ntv.co.jp))。

 日本政府の反論を聞いて不思議に思った人もいるのではなかろうか。なぜなら、日本が移民を積極的に受け入れているように聞こえるからである。日本国民は日本はまだ移民を受け入れてはいないと思っている人も多いのではなかろうか。

 そもそも移民とはどのような人を指すのであろうか。この点につき、国際連合広報センターでは次のように解説している(難民と移民の定義 | 国連広報センター (unic.or.jp))。すなわち、国際移民の法的定義はない。しかし、多くの専門家は、移住の理由や法的地位に関係なく、定住国を変更した人々を国際移民とみなすことに同意している。そして、移住には二つある。一つは、3カ月から12カ月間居住国を変更する短期的または一時的移住、もう一つは、1年以上にわたって居住国を変更する長期的または恒久移住である。

 したがって、移民の一般的定義によれば、日本には既にたくさんの移民がいるといえる。

 さらに、人口戦略会議が744自治体について消滅可能性があるという報告をした(744自治体が「消滅可能性」、出産世代の女性が大幅減少…25自治体は「ブラックホール型」 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp))ことが話題になったが、同会議の副議長は、「消滅可能性のある自治体の数が減ったのは外国人の入国超過が要因だ」と述べている。

 つまり、日本の自治体が消滅するかどうかは、移民にかかっているということである。日本政府が米国に対し具体的にどのような説明をしたのかは不明であるが、日本政府が既に移民を積極的に受け入れているという説明をしたとしても不思議ではない。

 そうだとすると、バイデン大統領の発言は正に誤解に基づくものといえるが、実は比較的多くの日本国民の認識に近いのではないか。つまり、比較的多くの日本国民も誤解しているということになる。

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