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ルーティン

前回、ルーティンの話を書いたけれど、その話の最中に頭に浮かんでいたことがある。

子が風呂に入りたがらない、ということがきっかけで「自分もルーティン守れてないじゃん」ということが分かった訳だけど、私自身の場合は風呂じゃなくて(それもあるけど)歯磨きだった。

小さい頃から習慣付いてなくて(いや、どうしてたか思い出せないからもしかしたらちゃんとやってたのかも)、少なくとも大学生で一人暮らしを始めた頃から、「ちゃんとした生活」が全然出来てない。

何かをきちっとやる、やり続けるということにプレッシャーがあって、また、それまで専業主婦の母任せ・頼りにしてきたため慣れていなかったのも相まって、とにかくそこに努力してこなかった。

「めんどくさい」の一言でずっと逃げてた。

そのうち、結婚を経ると自分のことを棚に上げて「なぜ夫は家事しないのか」「夫婦の負担の割合とは」なんて頭で考えては実行せず、そのまま。

そのままでずーっと来てたんだけど、最近、本当に生き方を見直したいと色んなモヤモヤが足を引っ張ってくる。

と思っていたら、頭痛がした。

風邪かと思って様子を見ていると、なんだか様子が違う。

これ、歯が痛いんだ。

私の奥歯は親不知が変な方向に生えていて、掃除が行き届かないところが出来、炎症を起こすということが過去にあった。その時は確かその部分を削る?ことで解決した気がする。
妊娠中にも歯石を取ったり少し通っていたが、悪阻でキツくなったのを機に行くのを辞めていた。

今回もそのくらいかな、とは思ったが、どうにも痛みがやり過ごせなくなったので、歯医者に行くことにした。

過去に行った歯医者には行かなかった。
なぜかというと私はルーティンの歯磨きが出来ていないので状態が悪く、以前行ったところで医師からは吐き捨てるように怒られていたからだ。
「こんなことしてると10年、20年後に歯が無くなりますよ。」

また怒られるのは嫌だったので、初めて行く歯医者を探した。
初回はカウンセリングのみと決まっていて治療がすぐに受けられないところ、WEB予約が一週間先からしか空いてないところを経て、3件目ですぐ行けるところが都合よく見つかった。

予約時間通りに行ってみると、医師一人で回しているのか、えらく待ち時間が長い。
診察台に乗せられたまま、歯科衛生士さんがチャチャっと診てくれたら早いのにな、とボーッと待っていると、やっとおじいちゃん先生が現れた。

そして叱られた。
「10年後には〜」の台詞をまた言われた。
そんでもって痛いところは虫歯になっていた。

でもおじいちゃん先生はその後が違っていて、
「これで私が今痛いところを治すだけだと、あなたはまた来るでしょう。それで歳をとるごとにどんどん歯は傷んで減って、治療は増えていって、大事な自分の歯が減る代わり、時間もお金も掛かるでしょう。それなら歯医者はいくらでも儲かるけど、私はそれはしたくない。」

「今日、ちゃんと歯磨きの仕方を説明します。いつもの歯ブラシだけじゃなく、歯間ブラシも使ってもらいます。それで一生懸命やってください。
そしたら歯科通いは定期的な掃除だけでよくなる。
うちに来る中高年の人は、治療じゃなくてそういうケアだけで、こちらが黙ってても定期的にやってきます。

毎日やるのは自分です。やらなかったら、さっき言った通り。今、ここからやりますか。説明、聞いて帰りますか。」

そう言われると、
「はい、やります。教えてください。」
と素直に口から出ていた。

おじいちゃん先生は、その後も歯周病の怖さや、口のバイ菌は全身をめぐって他の病気にも悪さをすることが医学的にも証明されていること、なんかを口早に説明してくれた。

治療の時も「痛かったよね、よく頑張ったね」とか「小さい子どもさん居るんやね、自分のことは後回しやな」とか言葉をかけてくれた。

レントゲンを取り、虫歯の治療のためにあと1〜2回通うことになり、最後に歯科衛生士さんから今日の歯磨きの説明を聞いて帰った。

それから私は毎日欠かさず歯磨きをしている。
なんなら、これまで寝る前だけだったのができる限り毎食後するまでになっている。

どうしたらルーティンで出来るようになるか?が問題だと思ってたけど、
それ以前に、私のやる気が無かったのは「ルーティンを作ってまでやる必要がある」ということを感じてなかったからだと分かった。

歯医者さんで叱られただけでなく、その理由や、どうすれば改善できるか、まで説明してもらって やっと分かった。

今、たまたまこういう歯医者さんと出会って、めっちゃツイてるな〜としみじみ。
ルーティンを考えているタイミングで出会ったのもありがたかった。

とりあえず、次の通院日が楽しみだ。

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