見出し画像

単元別ポイント08_三浦哲郎「盆土産」(光村中2)

自分の経験をもとに、中学校の国語教科書教材におけるポイントを簡単にまとめていきます。

中学2年生の光村教科書から開始し、いずれは3学年分すべて作成できればと思っています。

第8回は定番教材「盆土産」。1980年代から採録し続けている定番小説です(一度採録が止まりましたが)。「えびフライ」を知らない田舎の登場人物たちとそれを知っている都会の父との対比をしつつ「家族愛」を中心に読み込んでいく先行例が多いですが、それだと道徳的な側面が大きくなってしまうので、国語科として「表現」に着目をした授業をおこないたいと考えています。

※記号の凡例

・:作業、確認

◎:発問

★全4時構成

〈第1時〉

・新出語句の確認
・朗読CDを聞いて、初読の感想

〈第2時〉

◎第一場面(~96ページ6行目)を読み、以下の点を考えてみよう。
①この場面における「場所」「時間」を根拠とともに答えてみよう。
②主人公・姉・祖母は、「えびフライ」のことを知っているだろうか。
③「自分の鼻の頭でも眺めるような目つき」(94・12)をしている主人公は、どのような気持ちだろうか。
→個人思考+グループで確認・全体確認(ロイロ等)
※ジグソー法も可

〈第3時〉

◎第二場面(96ページ8行目~100ページ20行目)を読み、以下の点を考えてみよう。
①えびフライはなぜ6尾あるのだろうか。
②「偉そうに腕組みをして」(98・17)いた喜作が、「気勢をそがれたように、口を開けたままきょとん」(99・3)としてしまったのはなぜだろうか。
③えびフライの尻尾を食べてしまった3人と食べなかった父親とを描くことで、どのようなことが読み取れるだろうか。
→個人思考+グループで確認・全体確認(ロイロ等)
※ジグソー法も可

〈第4時〉

◎第三場面(101ページ1行目~)を読み、以下の点を考えてみよう。
①「墓を上目でしか見られなくなった」(101・20)主人公はどのような気持ちだろうか。
②正月に帰ると言った父に対し、「不意にしゃくり上げそう」(102・6)になった主人公はどのような気持ちだろうか。
③うっかり「えんびフライ」と言ってしまった(103・4)主人公であるが、もしえびフライをまた買ってきてほしかったならば直接言えばよいはずである。しかし、なぜ主人公はえびフライを買ってきてほしいと父親に言わなかったのだろうか。第三場面における主人公の心情を踏まえながら、考えられることを書いてみよう。
→個人思考+グループで確認・全体確認(ロイロ等)
※ジグソー法も可

〈一言コメント〉

定番教材であればあるほど、先行論も多くどのような授業をおこなえばよいか悩んでしまうところですが、私自身は、定番教材ほど「シンプルに」授業を展開していくことを心がけています。今回に関しては、本文の表現に着目をし、登場人物の心情や、「都会⇔田舎」の対比を確認していくことに終始しました。そこにICT器具を用いたり、教育手法を用いたりしていく形で生徒の興味を引き立てていました。

※参考サイト、文献


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?