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「夢幻のなか」を読んで


立原 正秋の作品が好きで読んでいましたが、引っ越ししたとき、どこに片付けたか分からなくなり、探すことができませんでした。しかし、この前ダンボールの片付けをしていたら立原正秋の作品のほぼ全集がでてきました。今日はそのうちの一冊、「夢幻のなか」と言うエッセイ集を紹介します。

この本はエッセイ集になってます。
Ⅰ わが風景の構図
 ・春の雪のなかを
 ・山桜のなかを
 ・蝉しぐれのなかを
 ・紅葉のなかを
Ⅱ 書斎の周辺
 ・すだちの秋
 ・唐招提寺の月
 ・蕎麦汁の味
 ・水
 ・梅の花と里子
 ・春日遅遅
 ・焼き捨てた原稿
 ・・・・・

この本の解説が上手いので載せます。
「風土のなかで生きる人間の姿と精神のありようを視つめ、そこに自己の生きをも透視する紀行『わが風景の構図』、忌憚のない批評と文壇への率直な発言で話題を読んだ『文芸時評』、さらに交友記や『書斎の周辺』など、文学絵画のみならず身辺日常にわたる美への希求と生命の愛惜をつづり、時流や風潮に左右されない凛とした姿勢が全編にみなぎる、清冽なエッセイ集」

立原正秋の作品は一言で言えば、清冽な美意識。硬質で確たる個人の美意識で判断、行動する大人。忖度や利害関係、損得を超えた、個としての男と女が惹かれ合う純粋と破滅というイメージがあります。その立原正秋のエッセイ集です。
こうして投稿していると、この本は意外といいなとか、身近に置いて置こう。明日読もうかなと思うきっかけにもなります。
井上陽水の歌に、「探し物は何ですか、見つからない物ですか、机のなかも、・・・・探すのをやめたとき、出てくることはよくあることで・・」を思い出しました。

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