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ローカルを考える活動〜ローカルラボについて〜

この記事はMIMIGURI Advent Calendar 2022の8日目(12月8日)の記事です。
これまでの記事はこちらのページのカレンダー下にリンクがまとまっています!

これからまだ半分以上あるぞ!

株式会社MIMIGURIのメンバーが、さまざまなテーマから日替わりで記事をお送りしてます。

この記事では、「遊び」について書いています。

はじめまして

改めてまして、自己紹介です。私はMIMIGURIのクリエイティブドメイン所属デザイナーの五味と申します。
普段の業務ではプロジェクトに関わる媒体のアートディレクション・デザインを担当しています。
筆無精でほとんど筆を取らないのですが…今回は良い機会と思い、アドベントカレンダー企画に参加させていただきました。(読みにくいところがありましたらお許しください🙏)

今回は、私が社内のコミュニティとして携わっている「ローカルラボ」という活動についてちょっと紹介させていただこうと思います。後半には「ものつくり」についてのお話しもちょこっと。

ローカルラボって?

ローカルラボは、MIMIGURI内でメンバー有志で運営されている、研究テーマを持った遊び探求コミュニティの一つです。(MIMIGURI内ではこういった探求コミュニティが多数存在します。)
ここではそのローカルラボの成り立ちについて触れたいと思います。

現在リモート業務でも働ける環境になったMIMIGURIでは、地元や地方に活動拠点を移すメンバーも多く、働き方のバックグラウンドは多種多様になっています。かくいう私自身もつい一年前に地元の山梨県に移住をしたばかり。

またその流れもあってかMIMIGURIでの業務の傍ら地域活動に関わるメンバーも少なくなく、日々の生活や実践の中で、MIMIGURIプロジェクトとは異なったベクトルの学びや葛藤が生まれています。

元々私自身も地元や地方生活に対する活動にも興味があったこともあり、2年ほど前からリモート体制が加速する中で、「リモートで働きながら地域とどう関わっていくことができるのだろうか?」「各メンバーの活動の中で共通・共有できる知はあるのだろうか?」「今、各地方ではどのようなことが起こっているのだろうか?」というようなことを次第に気にかけるようになっていました。

そんな中、かねてから地域活動について色々と雑談をしていたメンバーの吉田稔さん(群馬県前橋出身)に、「もう少し社内で、地域の事柄についてラフにコミュニケーションを取ったり、情報交換をできる場所が欲しいよね」と相談したところ、同じような考えを持っていたことからも話が盛り上がり、2021年には社内ラボという形で「ローカルラボ」の場が立ち上がりました。現在、ラボのオーナーは彼が担当し、私がサブオーナーという形で日々運営をしています。

※ちなみにここまでローカルという言葉を多用していましたが、ローカルラボでの「ローカル」の定義は「地域、故郷」としています。ですので、もちろん東京出身の方もウェルカム!なコミュニティです。

ラボの活動について

次に、ラボの日々の活動について少しご紹介します。

1.日々の活動報告会

ラボでは隔週で場を設け、そこで現在自分達が携わっているローカル活動や最近の地方の動向まで、広く活動共有や談義をおこなっています。

共有といっても、自分の地域の活動進捗がなければ誰かの話に耳を傾けるだけでも良いし最近思っている些細なことがらや悩みを吐露してもOK

現状では、ラボという名前はありつつ窮屈な場にしたくなく、メンバーにとって居心地のよい場づくりを大事にしています。特に全員で定義したわけではないのですが、これはラボメンバーの土地土地に流れる「ゆるさ」、「余剰」や「余白」の部分を大事にしていきたい、という思いが根底にあるからかもしれません。

ラボの設立の手始めにまず上記のようなゆるい場を作ったのですが、結果としてとても良かったと感じています。特に良かったなと思うのは各地方活動の報告によって各々のナラティブが見える化され、相互の活動触発が起こりはじめたことでした。
例えば、Aさんがおこなったちょっとしたアクションに対して、全く違う土地のBさんが刺激を受け、自身の地域での新しいアクションを起こすきっかけになる。そのBさんの活動報告からさらに別の人が刺激を受ける…といったように、相互の活動の連鎖反応が社内で頻繁に見られるようになりました。

こう言った火種から、次第に自分の地域のアクションにつながっていったり

なによりもそれぞれの地域活動を生き生きと行なっているメンバーの話を聞けると元気が出ますね!

ちょっと元気出た、でいいのです

2.つながりから生まれるプロジェクト

上記のようなコミュケーションの他、メンバー同士のつながりから案件としてプロジェクトが立ち上がる事例もあります。

昨年行った事例として、岐阜県八百津町にある「渡辺屋」という酒屋さんの暖簾づくりを手伝わせていただいたプロジェクトがあります。
渡辺屋さんはメンバーの1人のご実家で、「ちょうど暖簾を作り直したいらしい」という話題からご縁をいただき、ロゴ部分も含めてデザインをご提案させていただくことになりました。

その時の提案時のイメージ一部:ロゴは酌み交わす杯をモチーフにしています

県外への往来の自粛全盛期に始まったプロジェクトということもあり、当時はヒアリングから製作までをリモートで一貫して行いました。
デザインの納品後、暖簾の印刷から飾り付けまでは渡辺屋さんに行なっていただき、納品一年後のタイミングでやっと現地に実物を確認をしにいくことができました。
※ちなみに渡辺屋さんはワインと日本酒を中心にお酒の品揃えが非常に豊富!季節に合わせたおすすめセットもありますので新年を過ごすお供にも是非!https://watanabe8.com/

こちらが訪問した際の写真。夏は冬場とは違い麻布っぽい生地を使用したとのこと。バージョン違いもいくつか作ってもらっていました!

渡辺屋さんは制作させていただいた暖簾やロゴを気に入ってくださっており、直接お伺いした際に、「ロゴを決めていく過程の中で、改めて自分達のことについてよく考えることができた」、「できた暖簾やロゴがどんどん自分達に馴染んでいく感じがある」といった声もいただけました。

納品物として成果を納められたと同時に、リモート化での地方活動を行う上での気づきも多く得られました。
特に感じたのは、土地体験がない上での地域のものづくりの難しさ。
今回も現地に行けない分、十分なヒアリングやコミュニケーション、仮説を巡らせたものづくりを目指しました。それでもいざ現地に行き、そこに流れる人々の空気感や情景を体験すると、やはり身体情報に勝るものはないなと体感してしまいます。

どのようなものづくりにおいても身体知がともなうと、そこに新しい意味やストーリーが生まれ、コミュニケーションが生まれるということは、この活動によってさらに深く意識するきっかけになりました。

美しい八百津の風景

ローカルラボの目標

設立から1年の活動を通して、現在のラボの大きな活動目標は以下に定めています。

1)地域での実施成果、葛藤、土地の人の思いを、実際の土地で肌で感じること。

2)自身らのワークをローカライズさせる(その土地に馴染ませる)ことの良さや課題をログとして残し、今後のMIMIGURIとして受けていくローカル(地方)案件や、自身ら(地域に住まう人々)の生活にさえも活かせるようにしたい。

1.ではメンバーが地方案件に取り組んだ中で、身体知的に地域の活動の知を取り入れていくことが主軸。社内外プロジェクト関わらず、その時生まれた自分自身の体験や内省、関わった人たちの心の動きなどを捉える実践活動です。

2.は1のリフレクションを主軸とした活動。起こった事象に対して報告を通し、共感しあったり、共通のする知を見つけたりと、今後ラボメンバーや移住を考える人たちの活動に何か良い循環が生まれて行けばいいなという意図で定義しました。

今後の活動について

有難いことに、各メンバー経由でお仕事の相談を受ける機会ができたり、メンバーの住む地域への視察を企画していたりと、今後もさまざまな活動の予定が立っています。

今はラボという立ち位置で実験的なところが多いコミュニティですが、今後はもう少し腰を据えてローカルと向き合えるように事業体制を作ってみても良いかもと話していたりもします。

ただ、いずれにしてもローカルラボでは、土地のバックグラウンドの違いや多様化にも面白さを見出すこと。そしてその魅力や体験を互いにお裾分けし合い幸福に生き合うことを前提にしながら、今後も活動の幅を広げていければと思っています。


次回は、いつも案件でもクリエイティブを支えてくれているMIMIGURIディレクターの田島一生さんの記事です。どんな記事が登場するのか楽しみです。

引き続きMIMIGURI Advent Calendar 2022をお楽しみに!


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