「ためになる言葉」にもたれかからない

詩の入門書を読んだり、詩の教室で話を聴いたりしていると、詩についてのさまざまな言葉に出会います。はっとなります。いい言葉だなと感心します。

「擬人法はこうした方がいい」
「想像だけの詩はつまらない」
「詩は説明ではない」
「詩は比喩である」
「詩とは、、、」

それらの言葉に感心して、では自分もその言葉に即して詩を書こうとします。

でも、注意した方がいいと思うのです。万病に効く薬はありません。

詩というのは生き物です。生き物には、それぞれの個性があります。それぞれに似合う服があります。

すべての詩にあてはまる言葉なんて、どこにもないと思うのです。

例えば、「擬人法はこうした方がいい」という言葉も、本当に自分の詩に当てはまるのかどうかは、わからないのです。いったん信じても、実践に移すときには、自分の読みを通して、それでいいのかどうかを、みずからが判断する必要があります。その判断も、詩作の内だと思うのです。

こう書けばいい、という人の言葉も、参考にはしても、その通りにするのではなく、最後はすべて、自分が決めた方がいいと思うのです。

どんなに「ためになる言葉」も、自分の詩にとって真実かどうかを、自分で判断した方がいいと思います。

「詩とは何か」というのは、詩を書く人の数だけ、答があるのだと思います。

詩作のもっとも素晴らしいのは、すべてを自分が決められることです。

と、以上の言葉も、ですから信じすぎないように。

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