2024年2月22日(木)人それぞれという言葉が好きだ

木曜日だ。昨日はずっと雨だった。ふと思い出したのだけど、若い頃に読んだ小説家の随筆で、当たり前のことを当たり前の文章で書いたものがあった。なにもひねりがない。なにも起きない。どこが面白いのだろうと、誰もが首を傾げた。

そんな随筆を書きたい。

ところで、ぼくは「人それぞれ」という言葉が好きだ。誰がなにを好きになろうと、その人の勝手だ。だから、自分の好きなものだけが善で、自分のわからないものは悪だ、とは思わない。

詩はその典型だろう。

日本語で書かれ、詩という名前なのに、ある詩にはとんでもなく惹かれ、ある詩には全くなにも感じない。

その違いについては、言葉ではなかなか説明できない。

ぼくらはそのようにできあがっているし、詩もそのようにできあがっている。言えるのはそれだけだ。

人の感じ方ってそんなものだと、ぼくは思う。曖昧だし、ぼんやりしている。

だから、人がどんな詩を好きだろうと気にならない。自分が好きな詩を愛していればいい。

ただ、なぜあの人はあんな詩をよいと言うのか、という疑問については、ずっとまじめに考えてゆきたい。放っておきたくない。もしかしたら自分は先入観を持って読んでいたのではないかと、自分を疑う心はいつも持っていたい。

自分の感性は信じてあげたいけど、疑ってもいたい。

好きな詩と、感じない詩の2種類に、明確に分けている必要なんてない。

いつだってどんな詩も受け入れられる心で、目の前にある詩を、見つめていたい。

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