2024年7月10日(水)とても単純な日々。

7年前に会社の仕事をやめて、振り返ってつくづく思うのは、会社の仕事というのは、適当になんかやれないものだ、とんでもなく大変なものだ、ということだ。

ぼくが勤めていた会社は、ほかの会社に比べて、わりとリベラルで、人間関係も悪くなかった。報酬にも不満はなかった。よい会社だった。

それでも仕事となると、容易なものではなかった。

会社の利益予測をしていた時期が長くあって、決算結果が年明けに出る。

当時、初詣で手を合わせて祈っていたのは、家族の幸せよりも、年明けに出てくる決算結果が自分の予測と合いますように、というものだった。異常なほどに強く手を合わせて祈った。

また、困難な仕事は多くあり、翌朝の仕事のことが心配で、一睡もできずに出勤した日もたくさんあった。

休日になってゆったりしている時にも、ふと仕事のことを思い出し、急に元気のなくなることが、よくあった。

しょせん会社の仕事なのだから、適度に付き合えばよいとは思うのだけれども、実際に仕事に向き合うと、そんなことでは済まされない。

どんな仕事でも命懸けになってしまう。仕事というのはそういうものだと思う。

だから、会社勤めを終えて、こうして家で日々を過ごせることは、すごくありがたい。

今は、とても単調な日々を過ごしている。

もう会社の仕事のことを思い出して、急に心が暗くなることはない。

人を憎むこともない。

人を羨むこともない。

朝起きて、ただ好きな詩を読み、感動のため息をついて、この詩が好きだという文章を書き、それから夕飯を食べて、おとなしく眠る。

それだけの日々だ。

とても単純で、これ以上にない毎日を送っている。

今はこの幸運に、ただただありがたいと思い、そのことに手を合わせている。

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