2024年6月21日(金) 明るく笑っていました

昨日は用事があって横浜駅へ行きました。地下街で頼まれていた買い物をして、帰りのバス停に行ったら、バスは行ったばかり。だれも並んでいません。コロナ前には15分おきに出ていたバスは、本数が減って、今は30分も待たなければなりません。どうしよう、と思ったけれど、音楽でも聴いて待っていることにしました。

じっと待つことは、嫌いではありません。バスも、人も。

ところで、バスを待っている間に、思い出していたことがありました。昔の話です。今は亡くなってしまった岡田幸文さんから、「今度、白石かずこさんの家に行くけど、一緒に行く?」と聞かれて、「行ってみようかな」と返事をして、付いていったことがあります。

天気のよい日でした。もうずいぶん昔のことなので、どの辺りの駅だったかを忘れてしまいました。岡田さんと山本かずこさんと、ぼくの3人で、白石さんの住むマンション(だったと思います)へ行きました。

お昼前だったと思います。テーブルを囲んで、椅子に座り、白石さんと話をしました。隣の部屋には段ボールに入った沢山の本が見えました。

詩の話をしたかどうかを、覚えていません。小鳥(インコだったと思います)を部屋に放し飼いにしていました。その小鳥が、なぜかぼくの肩にばかりとまるのです。かわいいし、それはいいのですが、肩にとまって、耳たぶをつついたり、くわえたりするのです。正直、ちょっと痛いのです。けれど、手で払うことも失礼かと思い、そのままにしていました。

白石さんが、「あら、X X(小鳥の名前)ちゃんは、松下さんが好きなのね」と言って、明るく笑っています。ほんとに明るい笑顔だったので、小鳥の痛みなんかどうでもいいかと思い、ぼくも笑っていました。

それからおいしいパスタをご馳走になって、帰ってきました。

白石かずこさんが亡くなった、というニュースを見た時に、あの日、小鳥に妙に好かれたことと、白石さんの、とても明るい笑顔を思い出していました。

ご冥福をお祈りします。

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