2024年5月25日(土) 鈴木ユリイカさんと会った日

初めて会ったのに、なんだか昔から、毎日会っていたような気持ちのする人がいます。

明日、「詩のお話会」をする聖蹟桜ヶ丘の「ケトルドラム」に初めて行ったのは、数年前の冬でした。

あの時、「「鈴木ユリイカさんを囲む会」があるから行きませんか」と、友人の編集者に誘われたのでした。

その日は予定も入っていなかったし、ユリイカさんの詩は好きだったから、「はい、行きます」と答えました。会場が「ケトルドラム」でした。

でも、ユリイカさんとは会ったこともないし、ちょっとためらう気持ちもありました。会ったからどうだというのだろう。妙なことで傷ついて帰ってくるなんてことはないだろうか。あるいは、不用意なひとことで、相手を傷つけたりしたらどうしよう。

そんなことを考えていました。

それでも、行きました。

行ってみれば、「ケトルドラム」はほんとに居心地のよい場所でした。机を縦にいくつか並べてあって、周りに椅子がびっしりと置いてあります。

そして、行ってわかったのは、参加者は、お店の人を除いて、男はぼく一人でした。あとのメンバーはみな、女性の詩人や編集者ばかりです。

そのためか、「松下さんはそこ」と指定された席はユリイカさんの隣でした。

でも、恥ずかしながらも座ってみたら、「はじめまして」の挨拶もなく、いきなりユリイカさんと話し始めていました。

なんだか、昨日も話した人と続きを話すように、です。

人懐こくて、でもしつこくなくて、隣にいるとなぜかとても落ち着くのです。

話しかければ丁寧に返してくれるし、黙っていればそっとしておいてくれます。

いいな、と思いながらの、心地よい会でした。

あれからユリイカさんとは会う機会がありません。でも、初めて会ったその場所には、明日、また行くことができます。

明日は、あの日に感じた心地よさそのままに、峯澤典子さんとゆったりと、話ができればと思っています。

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