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#みつはしちかこ
俳句を読む 5 みつはしちかこ 凍蝶に待ち針ほどの顔ありき
凍蝶に待ち針ほどの顔ありき みつはしちかこ
この人も句を詠むのかという思いを、俳句を読み始めてすでに幾度か持ちました。現代詩にはそのようなことはめったになく、俳句の世界の懐の深さと、間口の広さをあらためて実感させられます。掲句、凍蝶(いてちょう)と読みます。17文字という短い世界のせいなのか、俳句には時折、無理に意味を押し込めた窮屈な単語を見ますが、この言葉はすっきり二文字に収まっています。