マガジンのカバー画像

俳句を読む

65
運営しているクリエイター

#石原吉郎

俳句を読む 26 石原吉郎 ジャムのごと背に夕焼けをなすらるる

ジャムのごと背に夕焼けをなすらるる  石原吉郎

先日も休日出勤の帰りに、横浜へ向かう東横線の中で、つり革につかまったまま正面から顔を照らされていました。夕焼けといえば、本来は夏の季語ですが、どの季節にも夕焼けはあり、季にそれほどこだわることもないかと思い、この句を取り上げました。その日の東横線は、ちょうど多摩川の鉄橋を渡っているところでした。急に見晴らしがよくなった土手の向こうの空から、赤い光が

もっとみる