DXあんとれ 備忘録 No.2

<前回分>

相変わらずタイムリーではないまとめですが、ちょっと時期がずれたぐらいが振り返りにはちょうどいいと開き直っております。

④顧客への説明

デザイン設計によってUX(ユーザー体験)を追求してく過程で、ユーザーの要求に反するデザイン設定を行った方がいい場合がある。その場合、ユーザーにはどうやって説明するのか。
結論は「説明する必要はない」。説明してユーザーの為になるのなら説明してもいいが、デザイン設計の判断基準は「ユーザーが理解してくれるかどうか」ではなく「ユーザーの為になるかどうか」。

「説明責任」…銀行業務においてはありとあらゆる場面で求められる行為。
当然大切な行為であるが、これの考えが行きすぎたら顧客の為になっていなくても説明責任さえ果たせばいいという本末転倒な事態に陥る。もうすでにそういう状況になっているのかもしれない…。


⑤EBPM(Evidence・Based・Policy・Making)

証拠に基づく政策立案…感覚や雰囲気ではなく証拠(エビデンス)に基づいて意思決定を進めていくこと。

最初、銀行業務における融資判断はEBPM的かなと思っていましたが、講座を進めていく中で、は大きな勘違いであると気づきました。
勘違いのポイントは「エビデンスの取られた時期」。銀行のいうエビデンスは企業の決算書という過去の数的根拠であったり、銀行内に蓄積している過去の企業の成功事例や貸倒事例といった形で、全ては過去の実績なのです。まあ広い意味では全ての実績は過去のものなのですが、その過去の度合いが銀行融資の場合1年以上前の実績が主なのでいわゆる古い情報。
その過去の実績に対し、営業担当者や審査担当者の経験を掛け合わせて行うのが銀行審査の実態。それはEBPMではなく「ヒューリスティック」(発見的手法…経験則・先入観)的な考え方ということ。

「ヒューリスティックが間違っている、EBPMが正しい」「ヒューリスティックは古い、EBPMが新しい」等という二元論的な話ではなく、EBPM的考えがあまりにも浸透していない、銀行や官公庁が数字に基づいて行う意思決定も一見EBPMに見える意思決定も実はEBPMではないという事が問題なんでしょう。
事実:「我々はまだ雰囲気でデータを扱っている」


⑥chatGPT

もはや知らない人はいないといえるAI。(なお、僕は今回初めてダウンロードして使いました)

世間一般的なchatGPT
 → なんでも知ってて聞いたらすぐ答えてくれる
実際のchatGPT
 → 聞き方間違えると頓珍漢な回答をするし意外と間違える
   そもそも検索はあんまり得意じゃない

A主任「この書類、アレしておいてくれよアレ。アレって何ですかって?コピーの事に決まってるだろ!」
A主任「今年の新入社員は〇〇大学卒業だからどれだけ使えるかと思ったら、全然仕事出来ねえじゃねえか!」

B課長「明日の会議で議題に上がる新規事業の案件だけど、データ分析がまだちょっと甘いから2階の書庫にあるA事業B事業C事業に関する過去20年分のデータから類似の例を抽出してまとめて。時間的に全部は厳しいかもしれないけど可能な限り多くのデータが欲しいからお願い。」
B課長「え?もうできたの?しかも20年分全部!?」

こんな新入社員がchatGPT君です。
何でも出来ると勘違いされているけど、具体的な指示をしないと当然だが出来ない。具体的に指示ができない人にとっては「使えない部下」。
具体的な指示を出せば、人間には到底出来ないスピードで仕事を終わらせられる。具体的に指示ができる人にとっては「使える部下」。

要はchatGPTを効率的に使う為には、
①指示内容を自分が理解して具体的に指示をすること。
②chatGPTに指示する為の言語化する能力を上げること。
③chatGPTの出した答えの中身を検証する能力を上げること。
等の能力を自分自身が向上させる必要があります。

ここまで書いて、まさに現代の管理職に求められるマネージメント能力そのものが必要なのではないのかと思えてきます。
これに加えて現実の部下には感情があるので、感情のコントロールもプラスで必要になってきますが、chatGPTごときを使いこなせないならば、部下に指示することなんて到底できないという残酷な事実。chatGPTを「使えないツール」と思われている方は要注意です。

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