見出し画像

映画批評『いのちがたりない』 ★☆☆☆☆

【あらすじ】
 2042年、急速に進行する少子化に危機感を募らせた政府は、全ての女性に目からビームが出る赤ちゃんを産める権利を保証したが、気味が悪いという理由で目からビーム赤ちゃんの申請は伸び悩んだ。
 そのため全ての公共交通機関と商業施設で、「子ども産めソング」を流すことを義務付け、若年層の意識の高揚を図ったが、効果は皆無。政府は非常事態を宣言し、社会全体で種の保存への意識を高めるため、性別の名称を男と女から種馬と奴隷製造機に改める時限法を成立させた。それでも依然出生率は危機的な状況にあった。
 そんな中、あるサイコパス女性の登場により、事態は大きく変わっていく。彼女が目からビーム赤ちゃんを利用して敵対勢力を街ごと焼き払ったことで、目からビーム赤ちゃんの威力が広く知られるようになり、国民は競うように目からビーム赤ちゃんを求め始めたのだ。少子化問題どころか人口が大爆発し、日本人同士の共食いが日常となるまでの壮絶な歴史の転換点を振り返る。

【批評】
★☆☆☆☆
 今世紀最大の駄作。あまりにも悪趣味。話題にする価値なし。
 実際には「子どもを作ろう」ソングであったのに、女性だけに役割を押し付けるような表現で、しかも命令形である「子どもを産め」という歌を政府が喧伝したかのように描くのは悪質極まりない。ドキュメンタリーに名を借りた歴史の湾曲であり、到底看過できない。わざわざ私が指摘する必要もないだろうが、種馬と奴隷製造機ではなく、正しくは子種と納税者生産器であり、こういった歴史を湾曲しようとする意図的な言葉の間違いがこの映画には非常に多く、まるで下品な人間の頭の中を覗いているかのようだ。不愉快極まりないだけでなく、言語道断である。関係者全員万死に値すると判断し、先ほど言論警察への出動要請を済ませた。速やかな逮捕を期待したい。
 映画としては、もう最悪という言葉では足りない程の最悪であったが、奴らが逮捕されて河原で蜂の巣にされる日を思うと、少しは愉快な気分になれるため、おまけで星1評価とする。


この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?