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映画『ランガスタラム』を見て生まれた葛藤 ときめきと道徳心

 ラーム・チャラン主演の映画ランガスタラムを見た。

 面白かった。近場の映画館で日本語字幕付きで見える日が来ると思っていなかったので、事前にネタバレを踏みすぎていた。ネタバレに配慮した感想でも、たくさん目にするとだいたい何が起こるか分かってしまう。それでも予想以上に面白かったし、たくさんの人に良い映画だと言われるだけあるなと思った。

※以下、ネタバレあり

















 人に言うのは恥ずかしいからインターネットで吐き出したいことがある。わりと個人的な話が入る。

 復讐であろうと彼のやったことは普通に殺人だ。そこに至った理由に同情はしても、あまり肯定的に見すぎないようにしたい。そう思うのだが、演じるのはあのラーム・チャラン。顔がいい、声がいい、脚がいい。殺しまくってお兄ちゃんを守る姿が素敵。復讐している姿も素敵。執念で看病する姿も素敵。何やってもカッコいい。とか思ってしまうのである。

 ダメだよそれは、私の道徳心はどこに行ったという気持ち。いや映画なんだし好きに楽しんでおけば良いじゃないかという気持ち。2つの気持ちがぶつかり合う。しょうもない葛藤なのは分かっているが真面目な問題だ。

 チッティは復讐の鬼になってしまったが、私自身もどちらかと言えばチッティよりの気性の人間だ。かつて家族が過労で倒れたとき、頭に血が上って、もし過労死したら上司は生かしておかないぞと本気で思ったことがある。上司は定年間近だったのだが、幸せな老後なんか絶対に送らせない、燃やしてやるとも思った。幸い家族はすぐ回復して退院したのだが、あのときの強烈な怒りと憎しみは未だに覚えている。

 復讐を否定しなければ、私は何かあれば復讐の鬼になってしまうかもしれない。でもやっぱりチッティはすごくカッコいい。顔がいい、声がいい、脚がいい、お兄ちゃん大好きでかわいい、ルンギ最高、腕っぷし強くて最高、殺しまくるチッティ最高、憎しみを隠して理性的に振る舞うチッティ最高、憎しみが隠し切れず少しだけ様子がおかしいチッティ最高。

 もうどうしていいか分からない。
 

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