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みかんケツ でも手を出すか

みなさん、こんにちは。Naseka です。
私は 哲学者・書評家・エッセイスト として、
自らを定義しています。

私は「マンガも読書のうち」と
考えて生きているのだが、
マンガを読む…というか 買う上で
一応 信念に近いものを持っている。

それは
「完結済みの作品しか買わない」ことである。

10年くらい前までは
リアルタイムで連載中のマンガの
単行本を買っていた頃もあったのだが、
今となっては 唯一「アオアシ」を除いて
バッサリと追うのを止めた。

長く連載を追っていた作品だと
「はじめの一歩」なんかも好きだったが、
当分 完結する気配がなさそうなのと、
途中からダレてきたのを感じたので
転勤による引っ越しを機会に 全て手放した。
(一歩 VS 沢村戦あたりまでは好きだったのだが)

その後 出会った「アオアシ」だけは、
仕事柄 組織作りや
部下とのコミュニケーションの
ヒントが得られそうだと思ったので、
半分 ビジネス書のような感覚で読んでいる。

実は この信念を抱くに至ったきっかけには、
悲しい悲しい過去がある。

そして、最近 この信念に変化が生じてきた。

今回は そんな話。


少年の日の思い出

あれは20年ほど前、
私は とある作品 を古本で集めていた。

1巻から順に 少しずつ小遣いで買い集め、
11巻まで揃えて 早く続きが気になるところ。
(これがまた、絶妙な流れで途切れていたのだ)

さて 刊行ペース的に どう考えても12巻は
とうの昔に発売されていて然るべきなのだが、
あらゆる書店を巡ってみても
ちっとも見つからない。

もちろん ここまで来たのだから、
今さら 古本に固執もしていない。

住んでいる街中の思い当たる書店という書店を、
大小関係なしに
自転車で巡り歩いたというのに…である。
(当時は高校生だったから、
 移動手段は自転車だった)

「なぜ ここまで探して見つからないのだろう…」
悔しい思いを抱えつつ、私は大学生になった。

大学生になり、工学部ということもあり
自身でもパソコンを持つに至った。
ここでようやく 私にも
インターネットが身近な存在になり(※)、
ある日 ふとこのマンガ作品のことを調べてみた。

(※ 当時はガラケー全盛、
  通信料のこともあったので
  メール以外には気軽に
  インターネットを使っていなかった)

そうしたところ、なんと その作品は
連載雑誌のトラブルにより
連載が中断されていたのだ。

それ故、私が求めていた12巻目は
永久に発売されることはなかった。

私はショックで打ちのめされた。

なにしろ その当時としては
最も気に入っていた作品だったし、
その作家と作品の登場人物のことは
狂おしいほどに愛していた。

よもや それが作者自身に
直接 非がない理由によって、
連載中断(打ち切り同然)に
陥ってしまっていたとは…

これが私にとって、かなり大きな経験であった。

その後も、気に入った作品が
「気付いたら未完結でフェードアウト」
することが度々 出てきた。

これらの経験が積み重なった結果、
「こんな報われない思いをするのなら、
 いっそ完結済みの作品しか
 手を出さないようにしよう」
と決心するに至ったのである。

共に盛り上がれぬ寂しさ

だが、冒頭にも書いたように
最近 また考えが変わりつつある。

身近な親しい人や
インターネットやSNS などで
連載中の作品の話題になるとき、
当然ながら 私はそれについていけない。

元々読書は
「自分が読みたい本を読む」スタイルなのだが、
やはり世間が盛り上がっているときに
その輪に加われないのは 少々寂しい。

そして何より 完結した後に作品を読み
「この作品は非常に面白い!」と感じたときに、
その喜びの熱量を共有できる人がいないことが
たまらなく寂しい。

昨今でいえば、
「ハイキュー!!」が 正にそれである。

ちょうど読み終わって間もない頃に
映画化の話が出てきたので
ほんの少しだけ 輪に入った感は得られたものの、
私が感動して盛り上がった想いは
ファンたちは数年前の連載時に
共有を終えていたのだ。

今「ハイキュー!!を語りましょう」と
言ったところで、
(映画に関する部分を除いて)
私と同じ熱量で話をできる人が
どれだけ集まるだろうか。

このまま リスクを避け続けるのか

note をきっかけに SNS での交流も
身近になったことで、
いっそう そんなことを実感した今日この頃。

もちろん 積読も多いし
公私ともに やらねばならぬことも多いし
マンガばかり読んでいるわけにもいかないのだが、
ここらで ちょいと趣向を変えて
未完結の作品にも 手を出していこうかと思う。

とりあえず今 気になっているのは
「推しの子」である。

アニメも見たことはないのだが、
大流行した YOASOBI の「アイドル」は
大好きで よく歌っている。
こういう些細な接点から自分でも想像しない
大ハマりの作品と出会うこともあるから
読書というものは面白い。

昔の私は 何かにつけて
リスク回避型の思考だったが、今後は
「完結しないかもしれないリスク」を取ってでも
新鮮なうちに作品を楽しむこともしていこう。

料理もマンガも
「冷めても美味い」ものは確かにあるが、
「熱いものは熱いうちに」賞味するのも
大切な嗜みであろう。

お読みいただき、ありがとうございました。

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