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#15 お猫の通せん坊

 前にnoteを書いたのは、年明けくらい。なんと、開店休業状態になってしまったnoteです。
 さて。久しぶりに書いてみようかと思う。

つい先日の話。
夜、近所のファミレスに行こうと旦那が運転する車に乗っていたら、車通りの少ない道の真ん中を陣取るお猫がいた。何かを気にするように、道の真ん中で固まっている。
旦那はそっとスピードを落とし、お猫の前で停車した。二人してお猫が動くのを待っているが、全然動かない。私がふと目線を道路の端に移すと、そこにはもう一匹のお猫が。どうやら二匹はお互い絶妙な距離を取りつつ、牽制しあっているようだ。
すると最初のお猫が動いた!のそりのそりとスローペースで30cmほど動くと、道路の端にいた二匹目のお猫が距離を詰めた。お互い絶妙な距離感は変わらず、二匹は見つめ合ったまま、そして。
腰を下ろした。
道のど真ん中で。

こっちは夜遅いのにまだ夕飯にありつけず、かなりお腹が空いている。ファミレスに行きたい。
さぁ、どうする!?
痺れを切らした私が、
「二匹に端に寄ってもらおうか。」と車を降りようとすると、旦那は
「いいよ。」と言い、車を軽やかにUターンさせて、結局別の道を使いファミレスに向かった。
 「なんか、邪魔しちゃ悪いし。」
旦那はただならぬ二匹のその後が気になっていたが、雰囲気を壊すわけにはいかないと、そっと身を引いたのだ。笑

うちの旦那は中々いいところがある、と思いながら私がバックミラーを見ると、対向から来た別の車が同じようにお猫に通せん坊されていた。
やっぱり、端に寄ってもらったほうが良かったじゃないか。危ないし。

そんなこともありつつ、無事にファミレスに到着した。ファミレスでは猫型ロボット2台が忙しく食事を運んでいた。
金曜の夜。
ファミレスはそこそこ混んでいた。テーブルでドリンクを飲みつつ、トイレから戻ってくる旦那を見ていたら、2台の猫型ロボットに通せん坊されていた。旦那は2台の邪魔にならない位置に立ち止まり様子を見ている。そして、2台が無事に行き違うのを見届けて、席に戻ってきた。

その様子を見て、私は旦那にこう言った。
「…今日、猫の恩返しが来るんちゃう?」と。


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