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詩集的な。です。
私が燃える水になって、いつかの誰かの気持ちを明るく照らしていたとしても、それはどうだっていいこと。
私が勝手に君たちを燃やすみたいに、君たちも勝手に私を燃やせばいいと思う。
愛情のかわりに確かな暖かさをあげるから。
いつまでも消えない灯りの中に私も居るって分かってる。
だけど、私の寂しさは残らないでほしい。
それは全部、人にあげた物だから。
窓の外が美しいだとか、だいたいそんな理由で朝は起きていた。
観賞用の窓。
切り取った外界。
ただ、それを嘘だなんて思うのを辞めただけ。
本当なんて何も無いなら、嘘だってどこにもないでしょう?
パステルカラーの日常だって、極彩色の夜だって、両方ほんとの物だから。
だからきっと、土くれだって言葉を紡いだその時から人間になったんだ。
大きな絵画の、瞳に注された緑にだって恋して良い。
何も知らないままその色を愛することを悪だなんて言ったのは誰だったろうか。
多分、自分だった気がする。
神様が見たって、その緑はきっと緑のままだから。
落葉を乗せる風、照らす月、歩道橋の上の孤独。
全部同じ皿に載せている。
あなたにとっては違う物でも、私にとっては一つの料理だからね。
波の揺り返しに合わせる鼓動。そしたら浜辺についた足跡と波の音がおんなじ皿に載った。
二年二組には神様が居るらしい。
新学期早々につまらないことを聞いてしまった。
噂は嫌いだ。
恣意的であることを求められるようで。
葉桜ばかりの時節、神様のことを下の名前で呼んでみた。
ああ、確かにそれは私を救ってくれるみたい。
朝の空気は、確かに沈殿した瘴気を薄めるような匂いでした。
子供の頃に見た夢を分析するなんてつまらないことに時間を費やした学者は、多分この朝の匂いになってほどけてしまったんでしょう。
空が広い。藍色の空。
田園の上空を邪魔するのは、ともすれば鳥くらいの物です。
それが鷹だか鷲だか、あるいはトンビなのかは知りませんけど、きっと私と同じなんだと思います。
空からは私が見えているんでしょう。
トンネルを抜けて、乱反射した足音が空気にほどけていきます。
私はきっと、こうやって世界に溶けていく心と波を見届けるために生まれたのだと思いました。
遠い思い出とその訳を、運ぶための方舟を何処かに置いてきてしまったけれど。
それでもそれは無くならずそこに在ると、そんな気がしたから結論はまた明日にでも追いやってあげたんです。
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