見出し画像

健康マインド(リズムネタ芸人⑦❗) 柳亭痴楽

四代目柳亭痴楽は1921年富山県産まれ
本名(藤田 重雄)東京本所育ちの落語家です。
リズムネタ芸人で紹介するのは「痴楽綴り方狂室」「恋の山手線」の七五調の演目です。

1941年 四代目柳亭痴楽を襲名した天才肌の落語家です。
1945年 戦後真打ち昇進。若手三羽烏(5代目林家小さん・3代目三遊亭歌笑・痴楽)と呼ばれますが、歌笑が1950年に事故死。
歌笑の持ちネタで七五調の「純情詩集」を引き継ぐ形で自身の新作落語を作った。
「破壊し尽くされた顔の持ち主」と自虐ネタを振りなが、「柳亭痴楽はいい男❗」と七五調のリズムで「綴り方教室」をもじった狂室を展開します。

「破壊し尽くされた顔の持ち主❗」柳亭痴楽

今も音源が残っていますが、「恋の山手線」
 

  上野を後に池袋、走る電車は内回り、私は近頃外回り、
彼女は奇麗なうぐいす芸者(鶯谷)、にっぽり(日暮里)笑ったあのえくぼ、
田畑(田端)を売っても命懸け、思うはあの娘(コ)の事ばかり。
我が胸の内、こまごめ(駒込)と、愛のすがも(巣鴨)へ伝えたい。
おおつか(大塚)なビックリ、度胸を定め、彼女に会いに行けぶくろ(池袋)、
行けば男がめじろ(目白)押し。
そんな女は駄目だよと、たかたの婆(高田馬場)や新大久保のおじさん達の意見でも、
しんじゅく(新宿)聞いてはいられません。
夜よぎ(代々木)なったら家を出て、腹じゅく(原宿)減ったと、渋や(渋谷)顔。
彼女に会えればエビス(恵比寿)顔。
親父が生きてて目黒い内(目黒)は私もいくらか豪胆だ(五反田)、
おお先(大崎)真っ暗恋の鳥。
彼女に贈るプレゼント、どんなしながわ(品川)良いのやら、
魂ちぃも(田町)宙に踊るよな、色よい返事をはま待つちょう(浜松町)、
そんな事ばかりが心ばし(新橋)で、誰に悩みを言うらくちょう(有楽町)、
思った私が素っ頓狂(東京)。
何だかんだ(神田)の行き違い、彼女はとうに飽きはばら(秋葉原)、
ホントにおかち(御徒町)な事ばかり。
やまて(山手線)は消えゆく恋でした。

出典「落語の舞台を歩く 第83話」

「恋の山手線」の後は決まりフレーズ
「柳亭痴楽はいい男 鶴田浩二や錦之助 あれよりグーンといい男」と続きます。

リズムに乗った語り口がうけて「爆笑王」と呼ばれます。
人気絶頂期に病気で倒れ、20年間の闘病生活後一時復帰しますが1993年亡くなりました。

「柳亭痴楽綴り方狂室」

私には子供の頃聞いた痴楽師匠の怖い顔を崩して、身をよじって語る高座のリズムが忘れられません。

続く。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?