まじょのなみだ(23)

翌日、この日は娘が園から帰ったら一緒にお見舞いに行こうと、
のん気に、いや、心を無にしたくて
ひたすらパソコンのカードゲームをしていたのだったと思う。

突然、携帯の着信音。

ドキッとした。
恐る恐る電話に出ると、やはり病院からだった。

「お母様の呼吸が弱くなってとても危険な状態です。できればいらして下さい。
お孫さんやご家族にも会わせてあげて下さい。」

手が震えて止まらない。
「どうしよう、どうしよう・・・」
パニックになりながらも、とにかく早く行きたい。

母に会いたい!

即、みんなに連絡して娘を迎えに幼稚園へ。
職員室でお帰りの準備を整えて待機させてもらっていた。

先生方も事情をよく知っていて、とても心配してくれた。
なんせ、2か月前には闘病中の私の代わりに孫の送り迎えをしていたばあばだったから。

娘はただならぬ雰囲気を感じてか、私の様子をうかがうように
じっと助手席に座っていた。

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