幸せと不安

子育てを初めて、ふいに幸せだなぁと感じる瞬間に出会う事が増えた。
最近特に。多分色々と慣れてきて、自分の気持ちにも余裕が出来てきて、子供も自分の意思で行動する様になったからなのかもしれない。
幸せ、なんて目に見えないし、比較も出来ないし、どんなに気が合う人でもどんなに同じ時間を過ごしている人でも、本当の意味では共有が出来ない。実態が分からないからぼんやりとしか思い描いた事がなかった。
そもそもよく分からずなんとなく、認識していた様に思う。
それなのに、はっきりと「あっいまわたし幸せかも」と自覚するのだ。自分の中の変化にびっくりするし、信じられないという感じ。言葉に表すのが難しいけれど、確かに自覚している瞬間がある。ただ、幸せを自覚する様になって思うのは、「幸せ」と「不安」はセットでやってくるという事だ。
どんなにホクホクと温かな気持ちになり、無意識で頬が緩んでいたとしても、そのすぐ後にはなんとなく泣きたい気持ちになる。
いや、後とか先ではないかもしれない。それは隣り合わせで一緒にやってくるのだ。
この瞬間は続かない。この幸せの反動はとんでもなくしんどい形でのしかかってくる、と思うのだ。急にかなしくなり、目の前の息子を思いきりぎゅっとしてしまったりする。
何の脈絡もなく抱きしめられて、「な〜に〜」と言いながらも、嬉しそうに笑ってくれる彼をみてまた胸がギュンッとなる。
歳をとると涙もろくなる、という言葉を実感する。ただ、いつも笑顔でいたいと思う。