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私が日記を書く理由

結婚を機に、29年間暮らした実家を出ました。
初めての、家族のいない暮らし。もちろん大好きな人が夫として毎日同じ家にいてくれて幸せですが、ぼんやりとした喪失感にしばらく苦しみました。実家に帰りたいと思ったわけではなく、もっと一つ一つの瞬間を噛み締めて、大事に過ごせばよかったと思いました。

両親や兄弟のことは大切にしてきたつもりでした。
ネットで「独身のうちにやっておくべきこと」という記事を見て、「家族と過ごすこと」も大事だと書いてあったのを見てなるほど、と思ったのも覚えています。大人になってからも毎年家族旅行に行きました。
でも実際に新しい暮らしが始まると、私が「ただいま!」と言ったときの、母の独特なイントネーションの「おかえり!」が聞けなくて寂しくなりました。まさか、こんな何気ないことを恋しく思うとは。あの「おかえり」を、もっと大事に受け取ればよかったと思いました。

そして、せめてこれからは、いま私の隣にいてくれる夫を大切にしたいと改めて思いました。いつか年をとってどちらかが死んでしまって、会えなくなったとき、後悔しなくて済むように、できる限り愛情を持って接したい。何気ないけど二度と戻らない1日を大事にしたい。何か特別なことをするとかではなく、ただ「大切だ」ということを忘れずに、目一杯噛み締めて、味わいたいと思うようになりました。

だから、私は毎日日記をつけています。
日記というか、マンスリーカレンダーを冷蔵庫に貼って、そこに本当に一言書いているだけ。
たとえば、

4月27日「結婚式の打合せ→とんかつ食べて胃もたれ」
5月29日「20時間保温したごはんを炒飯にしたらおいしかった!」
6月13日「一緒に夜ご飯つくりました。」

など。本当に大した内容ではないですね。
でも見返すだけで思い出が蘇る、これからもサボらず続けたい、私の大切な習慣です。


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